前駆体分子構造制御及び複合化による高機能性黒鉛フィルムの作製
Project/Area Number |
02205060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲垣 道夫 北海道大学, 工学部, 教授 (20023054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹市 力 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (90126938)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 黒鉛 / フィルム / ポリイミド / インタ-カレ-ション |
Research Abstract |
1)高結晶性黒鉛フィルムの作製 : 種々の化学構造を持つ芳香族ポリイミドを合成した。それらのポリイミドの炭素化過程は2段階、すなわちイミド部分にあるCOグル-プがCOおよびCO_2として放出される550ー650℃の第1段階と、主としてN_2ガスが放出されフィルムの電気伝導度が急増する700ー1000℃の第2段階に分けられた。フィルムの室温電導度は10^2S/cmに達した。最も高い電導度を示す炭素フィルムを与えた原料ポリイミドPMDA/PPDの構成原子は全て一つの平面上にあると考えられ、3000℃処理によって最も高い黒鉛化度を与えた。これに対して、最も低い電導度を示すフィルムの原料である6FDA/ODAは立体的な構造をもち、3000℃処理によっても黒鉛構造の発達を認め得なかった。架橋構造部分が2種類の混合から成り、その割合が若干異なる市販ポリイミドフィルム“ノバックス"の炭素化過程も2段階からなり、炭素フィルムが得られることを明らかにした。その炭素フィルムを3000℃に加熱処理したもののX線および磁気抵抗パラメ-タは高配向性熱分解黒鉛HOPGと対比できるほどの高い黒鉛化度を持つことを示していた。本研究結果は、3200℃付近の高温かつ高圧下ではじめて作り得るHOPGに匹敵する結晶性を有する黒鉛フィルムが常圧下高温処理によって作り得ることを示している。 2)黒鉛フィルムと他種分子との複合化による高機能化 : 芳香族ポリイミドフィルムの炭素化、黒鉛化によってつくった黒鉛フィルムへのFeCl_3のインタ-カレ-ションをFeCl_3ーKCl溶融塩中およびFeCl_3蒸気中で行った。生成黒鉛層間化合物フィルムの室温での電気伝導度は原料フィルムの約4倍の値を示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)