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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
1.研究目的:本研究は、生体内で骨と自然に結合し、しかも機械的強度、破壊靭性、弾性係数、疲労特性などの力学的性質においても骨に近い性質を示す生体活性複合材料を得る基礎的指針を明らかにするために、各種セラミックス、金属、有機高分子材料の表面に、生体活性なアパタイト層を組成、構造、厚さ、下地との結合性などを制御しつつ形成させる条件を明らかにすることを目的とする。 (2)研究成果:本年度は、平板状だけでなく、球状、繊維状、網状、織物状など任意の形状の各種材料表面に、任意の厚さの骨の無機質に似たアパタイト層を形成させる条件を、アルミナ基板を用いて調べ次のことを明らかにした。 (1)MgO4.6,CaO44.7,SiO_234.0,P_2O_516.2,CaF_20.5wt%組成の、75〜2000μmφのガラス粒子を、ヒトの体液に等しいイオン濃度を有する(Na^+142,K^+5.0,Mg^<2+>1.5,Ca^<2+>2.5,Cl^ー147.8,HCO_3^ー4.2,HPO_4^<2ー>1.0,SO_4^<2ー>0.5mM),pH7.25,36.5℃の擬似体液に浸漬し、その上にアルミナ基板を置くと、2日以内にアルミナ基板のガラス粒子と接していた面にだけアパタイトの核が無数に形成される。 (2)上記アパタイトの核が形成された基板を、ヒトの体液の1.5倍のイオン濃度を有するpH7.25の種々の温度の水溶液に浸漬すると、アルミナ基板上に均一で連続的なアパタイト層が形成され、その厚さは10°,36.5°及び60℃でそれぞれ0.5,1.7及びμm/dの速度で増加する。 これらの原理を用いれば、任意の形状の、任意の材料表面の任意の場所にだけ、任意の厚さの骨の無機質に似たアパタイトの層を形成させることができる。
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