Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究は,高分子薄膜の光機能を高度に発揮させるために,高分子薄膜の高次組織を制御する方法を確立すること,及び得られた高分子薄膜の光機能性を調べることを目的とする.本年度は,(1)高分子LangmuirーBlodgett(LB)累積膜のキャラクタリゼ-ション,(2)高分子LB累積膜において起3励起エネルギ-移動・伝達,(3)高分子液晶の光制御及び光機能化を研究した.主な成果は次のとうりである。 1.蛍光偏光法による高分子LB膜の配向評価:ポリイミドの単分子あるいは累積膜の分子配向を極めて感度の高い蛍光偏光法を用いて定量的に評価できた.蛍光プロ-ブとしてペリレンをポリマ-鎖中に導入し,ポリアミック酸を水面展開膜として石英基板上に引き上げ,化学処理によりポリイミド累積膜を作成した。蛍光偏光法によりポリイミド鎖は基板上に2次元的に,引き上げ方向に配向していることが示され,その配向度を定量的に評価できた.2.高分子LB累積膜中の励起エネルギ-移動・伝達:発色団ピレンを有するポリビニルオクタ-ルの単分子及び累積膜中で起る二次元的あるいは準3次元的エネルギ-伝達とエキシマ-形成部位へのエネルギ-トラップ過程を定常光励起及び時間分解蛍光測定により研究した.その結果,ピレンは2次元面内で統計的に均一に分布しており,エネルギ-トラップを抑制した膜を作成できること,膜厚が薄く層間でのエネルギ-伝達が容易に起ること,その拡散係数は1×10^<ー8>cm・S^<ー1>であることを明らかにした.3.光異性化反応による液晶の構造制御:低分子液晶に,液晶形成能をもたないアゾベンゼン誘導体又はアゾベンゼン基を側鎖にもつポリマ-を混合し,アゾベンゼン基の光異性化により液晶の構造を制御できることを明らかにした.
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