IIーVI族半導体混晶および超格子における伝導度制御と光物性
Project/Area Number |
02205091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
末宗 幾夫 広島大学, 工学部, 助教授 (00112178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 正道 広島大学, 工学部, 教授 (30081441)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | IIーVI族半導体 / アクセプタ- / 超格子 / 変調ド-ピング / 青色レ-ザ- / 光励起 / ZnSe |
Research Abstract |
p型ZnSeではアクセプタ-の活性化エネルギ-がLi,Nともに約110meVと比較的大きく,ド-ピング濃度の増加に伴い自由正孔の活性化率が低下してしまうことが予想される.これを解決する一つの方法として,超格子構造への変調ド-ピングを提案した.IIーVI系半導体では活性化エネルギ-の大きいアクセプタ-からの正孔活性化率を向上出来る可能性があり,バリアへド-ピングしたアクセプタ-に関しては活性化率の向上で期待できる.平均組成がGaAs基板に格子整合した短周期のZnSe/ZnS_<0.18>Se_<0.82>超格子を用いれば高濃度領域で約5倍程度の改善が可能であり,価電子帯不連続のより大きい構造では更に大きな改善が期待できることが示された. こうした理論予測を実験的に実現する第一歩として,ZnSe/ZnSSe周期構造中のZnSeに窒素を不純物添加することを試みた.通常,ZnSe単一膜にアクセプタ-をド-ピングした場合,中性アクセプタ束縛励起子発光(I_1線)以外にドナ-アクセプタ-(DA)ペア発光が大きく観測されることが多い.これに対してZnSe/ZnSSe周期構造中のZnSeにド-ピングした場合には,DAペア発光が押さえられ,I_1線発光が大きくなるなど,光学特性の大幅な改善が見られた. これまでZnSe/ZnSSe周期構造で180Kまでの光励起青色レ-ザ-発振を得ていたが,ZnSSeバリアのS組成を大きくして価電子帯バンド不連続を拡大することで280Kまでのレ-ザ-発振を実現した.またさらに各層50A^^・のZnSe/ZnSSe超格子を光閉じ込め層とすることで室温レ-ザ-発振を実現した.この場合の発振しきい値は励起波長337nmの窒素レ-ザ-励起で約160kW/cm^2であり,この励起光パワ密度に対応する等価電流密度は45kA/cm^2に相当する.この等価しきい値電流密度はまだIIIーV系に比べて大きいが,これまでに報告されている室温レ-ザ-発振の報告例に比べると1/3〜1/4と低い.また最大で24Wの高い光出力が得られている.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)