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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
対象とする物質は太陽電池材料として注目されているCuInSe_2,青色発光ダイオ-ドとして有望視されているCuGaS_2ならびにその混晶系,およびデフェクトカルコパイライト構造から導出される4元層状化合物cdInGaS_4等である。まずCuInSe_2については、良質な単結晶を成長させる技術の確立から出発し、同一結晶の多面的評価を試みている。現在までにundope,In,Znまたはcdーdopeの結晶についてフォトルミネッセンス,電気的性質の測定を行った。そしてZnの不純物準位を決定した。また、ラマン散乱スペクトルの測定をCu対In比を変えた試料について行った。つぎに,CuGa(S_<1ーx>Se_x)_2系について状態図,光吸収スペクトル,フォトルミネッセンススペクトルの測定を行った。また真空中,S中,Se中でのアニ-ル効果の実験を行った。更にこの系のラマンスペクトルを測定しモ-ドの決定をした。アニオン面内の振動と考えられるA_1モ-ドがx=0.75において不連続な変化をすることを見いだした。カチオン置換の混晶Cu_<1ーx>Ag_xGaS_2系についても測定したが,この場合には連続変化した。われわれは先に,この系のある組成において半導体一金属遷移と思われる現象を100℃という比較的低温で観測した。Cu_2S,Cu_2Seが共に約100℃で構造転移があることをX線的に確認し,これとの関連性をCu→Ga置換によって調べたが,あるCu対Ga比の試料において從来と同様な転移現象が観測された。この他CuGaS_2と他のカルコパイライト化合物との間の混晶熱物性を測定し,平均原子量,イオン度との関係を調べた。最後に,Cd_xInGaS_<3+x>系のx=2〜3においてわれわれが先に見いだした強い緑色発光の原因と考えられる,cdSとcdInGaS_4の積層構造をCVD法で人工的に作製し,予想通り強い緑色発光を得た。今後はアニオン蒸気制御による単結晶成長,不純物ド-プ等をCuInSe_2に対して行うと共にラマン散乱の測定,半導体一金属遷移の解明,緑色→青色発光へ展開を行う。
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