食細胞による高分子微小球の貧食に及ぼす諸因子の研究
Project/Area Number |
02205109
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
近藤 保 東京理科大学, 薬学部, 教授 (70084415)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 公子 東京理科大学, 薬学部, 助手 (40147509)
村松 延弘 東京理科大学, 薬学部, 助手 (10112905)
大島 広行 東京理科大学, 薬学部, 助教授 (60176873)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | Nーアセチルニュ-ラミン酸 / 多形核白血球 / 貧食 / ラテックス / 表面電位 / 糖鎖 |
Research Abstract |
従来モルモット多形核白血球による異物粒子の貧食作用に関しては両者の表面電位の違いから論じてきたが、本年度は更に、表面電位はモルモット多形核白血球のそれとほぼ等しいが粒径の異なるラテックス粒子を用いて貧食の程度を検討した。その結果、ラテックス粒子の粒径がおよそ500nmのときに貧食が最大となり、粒径がこれより大きくてもまた小さくても貧食の程度が減少することが分かった。なお、本研究において貧食の程度は食細胞による酸素消費速度の大小により判定している。 更に、異物粒子表面上の化学種の種類は食細胞による貧食に大きな影響を及ぼすことが知られているので各種の糖をラテックス粒子表面に化学的に結合し、モルモット多形核白血球によるラテックス貧食に及ぼす糖の種類の影響を検討した。使用した糖類はグルコ-ス、ガラクト-ス及びNーアセチルニュ-ラミン酸で、いずれも6ーアミノヘキシル鎖をスペ-サ-としてラテックス粒子表面のカルボキシル基に結合させた。ラテックス粒子の粒径はほぼ450nmでその表面電位は糖鎖で修飾したものを含むすべての試料に対しておよそー25mVであった。グルコ-ス及びガラクト-ス修飾ラテックス粒子のモルモット多形核白血球による貧食は、粒径及び表面電位の等しい対照ラテックス試料の貧食と比較してほぼ同程度か若干大きくなった。これに対し、Nーアセチルニュ-ラミン酸修飾ラテックスの場合、対照ラテックス試料と比べてその貧食の程度は明らかに低く、しかもラテックス粒子表面のNーアセチルニュ-ラミン酸濃度の高いほど貧食されにくいことが判明した。したがって、異物粒子表面上の化学種、糖鎖、がモルモット多形核白血球による貧食に大きな影響を与えることが明らかとなり、糖の種類を変えることにより、貧食のコントロ-ルが可能となるであろうと予測され、製剤設計上有益な結果が得られた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)