Project/Area Number |
02205115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
斉藤 博 岡山理科大学, 理学部, 教授 (20013526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 正和 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40068911)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | エピタキシャル成長 / 低温成長 / 界面 |
Research Abstract |
(1)高温分子線を用いたZnSe/GaAsのMBE成長:Se分子とZn原子の試料表面拡散長の増大による成長温度の低温化を狙って、高温加熱した各分子線を用いたMBE成長を試みた。分子線の高温化には、加熱部を内蔵したセルを試作した。実験は加熱部温度を一定で(600℃)行なった。その結果基板温度100℃でも良好なエピ膜の成長を確認した。成長温度100ー200℃のエピ膜は、強いl_2束縛励起子発光線の他は、Y,DAPおよび深い準位からの発光は非常に弱いか全く観測されず、良好な低温でのPLを示した。また表面モフォロジ-も比較的良好であった。一方、Se分子のみを高温加熱した場合には、成長温度は200℃までしか低下し得なかったことから判定するに、Se,Znともに高温加熱し、つまり高速分子線を用いることで、両原子の表面拡散が促進され、その結果低温成長が可能になったものと結論できる。分子線加熱温度、Vl/ll比、分子線強度等の最適化によりさらに低温成長が可能と思われる。 (2)(NH_4)_2S_x溶液で硫黄処理したGaAs基板上にZnSeをMBE法で成長し、その結晶性の評価をした。その結果、通常の硫黄系溶液で処理した基板上に成長したZnSe膜に比べ、硫黄処理した基板上に成長したZnSe膜のX線ロッキング曲線の半値幅は一般に大きく、特に薄い膜で顕著である。また、GaAs基板の半値幅もZnSe膜厚依存性を持つが、硫酸系処理を施した基板の方が大きい。これらの結果は、基板とエピ膜の界面に存在していると考えられる硫黄が、膜の結晶性をむしろ低下させていることを示唆しており、MOMBE成長の時とは逆の結果となっていることが判明した。膜成長時の水素ガスの有無が関与している可能性がある。基板とエピ膜界面の性質については、GaAsバファ-層成長による本質的な解決を目論み、計画中である。
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