Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 純一郎 金沢大学, 医学部, 助教授 (50110622)
中潟 直己 順天堂大学, 医学部・共同病理研究室, 助手 (30159058)
葛西 孫三郎 高知大学, 農学部, 助教授 (60152617)
岩井 浤 酪農学園大学, 酪農学部・獣医学科, 教授 (00072405)
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Budget Amount *help |
¥40,000,000 (Direct Cost: ¥40,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥40,000,000 (Direct Cost: ¥40,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,動物実験に不可決な実験動物を新しい現代のバイオサイエンスの知識と技術とを用いて開発し,その動物をヒト疾患モデルあるいは生物機能モデルになるように系統化することである。この目的を実現するためには,新しく開発された野生遺伝子および外来遺伝子DNA導入マウス(トランスジェニックマウス)を基礎繁殖し,遺伝的安定性を調べ,遺伝子発現による形質の変化等を指標として,研究目的に即した実験動物を選抜する必要がある。本年度は,ラットレニンおよびアンジオテンシノ-ゲン遺伝子導入トランスジェニックマウスを長期間飼育し高血圧状態を持続させると心不全によって通常マウスの約半分の寿命である1年後に死亡することを見出した。このマウスは,高血圧症による病疾患のモデルとなる可能性がある。その他,アンチセンス法によって特定遺伝子機能が欠損しているマウス2種を系統化した。つぎに,系統化には,体外受精法による大量のマウスの同時作成法の確立や,配偶子や胚の凍結保存法の確立が重要であるが,いずれも順調な発展を遂げた。とくに,精子および卵子の急速凍結法の開発は特記に値する。精子は凍結融解後体外受精によって胚発生を行なった結果,凍結していない精子とほぼ同程度の回復が認められた。但し,系統差は依然として存在し,さらなる改良を必要としている。トランスジェニックマウスの導入遺伝子の継世代的安定性はほぼ9割以上のマウス系統で確認されており,不安定の要因の方が問題となるほどである。このことは,初代で得られたトランスジェニックマウスからの子孫は,初代と同じ遺伝的構成をもつものと仮定してよいことを示しており,実験動物となり得る用件を備えていることが明らかとなった。in situハイブリダイゼ-ションによる導入遺伝子の解析は,日常的に行なえるようになった。
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