Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正時 慶応大学, 理工学部, 教授 (80005438)
小林 隆史 京都大学, 教授 (50027059)
田中 勲 北海道大学, 理学部, 助教授 (70093052)
大胡 恵明 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (10016115)
大橋 裕二 東京工業大学, 理学部, 教授 (40016118)
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Budget Amount *help |
¥21,700,000 (Direct Cost: ¥21,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥21,700,000 (Direct Cost: ¥21,700,000)
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Research Abstract |
固相化学反応の動的過程を原子レベルで定量的に解明するために,反応途中の各段階における結晶構造の変化を追跡することがきわめて重要であるとの観点から,1時間以内で構造解析に必要な単結晶X線回折デ-タ測定を完了することを目指した新しい実験室系の迅速X線カメラ系を開発した。平成元年度のハ-ド部分及び基本ソフトの開発整備に引続いて,本年度は光学系・デ-タ記録系・ソフトウェアを改良し,装置を完成させた。またイメ-ジングプレ-トの詳細な特性評価を行った。 光学活性コバロキシム錯体の固相・結晶相ラセミ化反応やβ→α異性化反応については,種々の新しい反応系を見いだすと共に,多数の結晶構造をX線解析により明らかにし,反応速度と置換基の立体構造や結晶内反応空間との関係を系統的に議論した。また時間分割の動的X線解析により,結晶相ラセミ化反応の途中段階にある分子の準安定構造を捕えることに初めて成功した。 さらに結晶基盤上での有機金属分子の反応,導電性LB膜の光照射による異性化反応,有機電荷移動錯体のエピタクシアル成長,金属錯体結晶中の光励起緩和,固体水素結晶等における水素の結合組替えトンネル反応など,種々の固相反応あるいは結晶表面の関わる有機化学反応について,それぞれの動的過程をX線回折・高分解能電子顕微鏡観察・高速電子線エネルギ-損失分光。フ-リエ変換赤外分光。表面ラマン分光・表面偏光EXAFS・ペニングイオン化電子分光・電子スピン共鳴などのさまざまな物理化学的手法により研究し,固相・表面相の化学反応について多大の知見を得ることができた。また,これらの研究を可能とするため,各種分光法に関係した装置の開発・改良を進めた。
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