Project/Area Number |
02212203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 洋一 東京大学, 低温センター, 助教授 (50126009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 哲也 東京大学, 理学部, 助手 (40188248)
島田 宏 東京大学, 低温センター, 助手 (60216067)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1990: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 準結晶 / 準周期系 / 二次元電子系 / 微細加工 / 第三音波 |
Research Abstract |
準周期的ポテンシャル中の電子がどのような状態にあるか、それが周期的あるいは不規則的な場合とどのように異なるかは興味深い問題である。本研究は1次元準周期ポテンシャル中の電子状態を実験的に探ることを目的としている。試料は変調ド-プ型のAlGaAs/GaAs単一ヘテロ接合界面に生じる高易動度2次元電子ガスとし、基板上1次元方向にいわゆるHEMT構造で細線ゲ-トを作製し、これによって2次元電子系に強度可変にポテンシャル障壁列を導入する。作製した金ゲ-トの線幅は約0.1μmであり、間隔が0.809μmと0.500μmとのフィボナッチ列を構成している。また比較対照のため、周期的に並んだゲ-トを有する試料も 作製した。液体ヘリウム温度において電気伝導を測定した結果、周期的障壁列をもつ試料で、障壁による干渉効果と考えられるサブストレ-トバイアス依存性を見出した。しかし準周期系についてはそのような構造を見つけるに至らなかった。電子の平均自由行程長が不十分であること、測定温度が高いこと等が問題であると考えられ、これらを克服するために一層の努力が必要である。 波動コヒ-レンス長さがより長い波動系を用いれば、この困難の少ない実験が出来る。我々は超流動ヘリウム薄膜中の第3音波に対する準周期的障壁列の影響を調べた。ガラス及びシリコンウエハを基板とし、その上にリソグラフィ-によりアルミニウム線を周期的及びフィボナッチ的に設けた。この上の第3音波を測定した所、その透過スペクトルに多くの難透過領域がみられた。特に準周期系ではその構造は自己相似的でありネストしている。このスペクトルはシュミレ-ションによるものとよく一致し、難透過領域の指数付けを行なうことが出来る。
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