極超薄膜性プラズマ重合膜の物理化学特性に基づく有機プラズマ複合過程の解析
Project/Area Number |
02214227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
葛谷 昌之 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (10082984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 章公 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (90094333)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 有機プラズマ / プラズマ重合膜 / CASING / ESR / 表面ラジカル / ダングリングボンド / ECRプラズマ / 真空紫外線 |
Research Abstract |
密封系短時間の有機プラズマ照射によってほとんど瞬時に生成する未発達の極超薄膜性プラズマ重合膜(以下、極超薄膜)は気相中のプラズマ分解種を固体表面に安定にトラップした状態に相当し、新規なラジカル固定化膜の一種である。一方、有機高分子表面への短時間プラズマ照射によるCASINGは、固体分子を用いる極超薄膜生成反応とみなす事が出来る。したがって、プラズマ分解種の構造を反映した極超薄膜の物理化学的特性の解明はプラズマ自身の直接的アプロ-チと同様に有機プラズマ反応の複合過程の分子レベルでの解明にも深く関係しており、かつユニ-クな研究側面を提供する。種々の有機高分子へのプラズマ照射によって生成するラジカルのESRスペクトルによる解析結果は、他の高エネルギ-放射線照射や機械的エネルギ-によって生成するラジカルと類似するものと異なる高分子があり、プラズマ照射効果の特殊性が認められた。一般的には、主鎖切断型ラジカルの生成は分解型高分子に、主鎖型ラジカルの生成は架橋型高分子に分類出来た。しかしながら、ほとんどすべてのプラズマ照射有機高分子表面のESRスペクトルの測定において未結合手が観測され、表面架橋(CASING)が進行することが認められ、それらの進行割合とスペクトル特性(ピ-クピ-ク幅)は用いる高分子構造の特性を反映した。一方、個体表面へのプラズマ照射効果の本質はよく理解されていないので、石英ガラスを用いてECR(electron cyclotron resonance)プラズマ照射実験によって検討した。その結果、プラズマ照射特有の常磁性中心の発生がESRによって観測され、その生成強度とプラズマ電子密度分布との相関は認められなかった。したがって、個体表面へのプラズマ照射効果は主に紫外線・真空紫外線に起因しているものと考えられる。以上、本研究で得られた成果は機能性プラズマ重合膜の構築に有用な実験的設計の指針を提供する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)