くり返しパルス強磁場によるアクチナイド化合物のμSR及び中性子回折
Project/Area Number |
02216112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本河 光博 神戸大学, 理学部, 教授 (30028188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野尻 浩之 神戸大学, 理学部, 教務職員 (80189399)
古坂 道弘 高エネルギー物理学研究所, 助手 (60156966)
遠藤 康夫 東北大学, 理学部, 教授 (00013483)
西山 樟生 東京大学, 理学部, 助手 (50164611)
永嶺 謙忠 東京大学, 理学部, 教授 (50010947)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 強磁場 / μSR / 中性子回折 / PrCo_2Si_2 / 磁気構造 |
Research Abstract |
交付申請書に述べた計画に従って、我々の開発した繰り返しパルス強磁場と高エネルギ-物理学研究所の加速器からくるミュオン及び中性子を用い、世界で初めて16Tという強磁場中で、μSRと中性子回折の実験を、強磁場中で複雑な磁気構造を持つPrCo_2Si_2という物質について行った。その結果得られた成果は次の通りである 1、μSR実験 この物質はヘリウム温度で、1.2T以下では反強磁性であるが、1.2Tと3.8Tの間および3.8Tと12.2Tの間で二つの複雑な長周期構造をとることが知られている。それぞれの構造に於て、あるいは転移磁場に於て、ミュオンの緩和からスピン系のダイナミックスを知ることができた。反強磁性状態ではスピンのゆらぎはなく、従って緩和は観測されないが、長周期構造に於いては、c軸方向に14周期あるいは4.5周期毎にあるアンチフェ-ズドメインがソリトンのように激しく運動していることなど判明した。複雑な磁気構造の変化はこの不安定なソリトンの運動と深い関係があると思われるがまだ明確ではない。 2、中性子回折実験 強磁場中でおこる複雑な磁気構造を中性子回折によって正確に決めることに成功した。その結果磁化測定によって、1.2Tと3.8Tの間および3.8Tと12.2Tの間で予想されていた、プロパゲ-ションベクトルが13/14および2/9の長周期構造が明確となった。試料が電気伝導体であるため渦電流による温度上昇が問題となったが、その温度をブラッグ反射の強度から正確に決めることにより、最低温度ではないが相図としては完成させることが出来た。またこの実験を通じて、世界初の強磁場中性子回折実験の可能性が現実となり、今後大きく発展するきっかけを作った。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)