Project/Area Number |
02216115
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
北澤 英明 理化学研究所, 磁性研究室・究研員 (00195257)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊賀 文俊 電子技術総合研究所, 電子物性研究室, 通商産業技官 (60192473)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | ドハ-ス=ファンアルフェン効果 / 稀土類化合物 / 重い電子系 / 一重項基底状態 |
Research Abstract |
Ce,U化合物を中心とした重い電子系の低温における伝導電子の異常な質量増大の原因を,ドハ-ス=ファンアルフェン(dHVA)効果の観測により追求することが本研究の目的である。本年度は、グルノ-ブル原子力研究所ロサミニョン教授のグル-プとの共同研究により、超ウラン化合物までを含めた新しい装置を試作した。現在、最低温度1.7K,最高磁場13テスラの条件下で測定が可能となっており、今までに,反強磁性体SmSb(T_N=2.1K)および、一重項基底状態をもつPrSbにおいてdHVA効果による帯磁率の振動を検出している。特にPrSbにおいて,磁場方位依存性の測定より、2種類のフェルミ面からの信号が観測された。非磁性体LaSbの実験、バンド計算との比較により、1つはX点の回りに存在する6個の回転楕円体状をなした電子面の1部であり、残り1つは、Γ点の回りに存在する球状の小さい方のホ-ル面であることが同定された。大きさはLaSbとほぼ一致しており、CaSbやSmSbに比べ4f準位がフェルミ準位から離れているため、伝導帯や価電子帯との混成効果の影響が小さいことで説明できる。さらに、一重項基底状態で期待されるフェルミ面の諸パラメ-タの磁場変化を検討したところ、ある磁場の方向では、ホ-ル面の大きさが磁場とともに5%まで減少していることがわかった。今後、実験誤差等の見積りや,詳しい実験が必要となるが、この変化が有意であれば、かなり興味深いことになる。期待されるすべてのフェルミ面が、1.7Kまでには観測されておらず、重い有効質量をもった物質を扱うことを考えあわせると、より極低温の測定が要望される。現在、超ウラン化合物で予想される放射線による汚染、温度上昇の問題を検討した新しい ^3Heクライオスタットの建設がスタ-トしているので今後に期待したい。
|