神経分化因子による伝達物質の合成および放出機構の発達
Project/Area Number |
02220201
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20169436)
松岡 一郎 北海道大学, 薬学部, 助手 (40157269)
吉井 清哲 北海道大学, 薬学部, 助手 (30125364)
三宅 教尚 北海道大学, 薬学部, 助教授 (30133771)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 神経分化因子 / NG108ー15細胞 / コリンアセチルトランスフェラ-ゼ / レチノイン酸 / コリンの取り込み / 脱メチル化剤 / ラット胎児脳細胞 / N18細胞 |
Research Abstract |
本研究では、グリア細胞腫C6の産生する蛋白性の神経分化因子およびレチノイン酸が神経細胞におけるアセチルコリンの合成を活性化するメカニズムを調べた。これらの2つの分化因子をNG108ー15細胞およびラット胎児脳の初代培養細胞に作用させると、アセチルコリンの合成酵素であるコリンアセチルトランスフェラ-ゼ(ChAT)活性を増大させた。この際、NG108ー15細胞内に27K蛋白質が増大することを見出した。 27K蛋白質が、ChAT活性の増大に関与するかどうかを明らかにするために、グリア由来の細胞分化因子およびレチノイン酸をNG108ー15細胞に作用させ、細胞質画分を分離した。つぎにこの細胞質画分を未処理のNG108ー15細胞内に導入したところ、ChAT活性の増大がみられた。神経分化因子で処理した細胞の細胞質画分をクロマトグラフィ-で分画したところ、27K蛋白質がChAT活性を増大させる有効成分であることが明らかになった。 また上記の神経分化因子をNG108ー15細胞に作用させ、コリンの取り込み能を調べたところ、これらの因子はコリンの取り込み能は増大させないことがわかった。すなわち、神経分化因子による分化においては、ChAT活性の増大とコリン取り込み能の増大は別々の機構で起こることがわかった。 またN18細胞は神経芽細胞腫であるが、グリア由来の分化因子やレチノイン酸により、ChAT活性の増大はみられなかった。しかしながら、この細胞を脱メチル化剤で処理するとこれらの因子により顕著なChAT活性の増大がみられた。このことは、N18細胞では、通常ではDNAがメチル化され、分化因子によるChAT活性の増大が抑制されているが、脱メチル化により分化誘導が起こることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)