Project/Area Number |
02220211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 富士夫 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20089882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝丸 博信 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40183264)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | シナプス発芽 / ニュ-ロン / 選択的結合 / 大脳 / 赤核 / トポグラフィ- / 異所性投射 / ネコ |
Research Abstract |
神経回路形成時の結合選択性の中で重要なものとして、体部位局在及び細胞表面上のシナプスの位置の特異性が挙げられる。我々は、(1)生後1ケ月程度の仔ネコの大脳皮質を片側性に破壊すると、正常では皆無に等しい交差性皮質ー赤核投射が生じ(2)この異常な投射が正常な同側性の大脳ー赤核投射と同様の体部位局在を示すことを見出した。このことは生後1ケ月程度経過したネコでも、少くとも赤核においては投射の体部位局在及び細胞表面部位局在を決定する因子が発現している可能性を示唆する。本研究はシナプス発芽を利用して脳内における神経結合の選択性が生ずる分子機構を明らかにすることを目的とし、本研究ではレクチンをトレ-サ-として用いて、大脳皮質片側破壊によって生ずる交差性大脳ー赤核線維の変化を経特的に追った。 交差性大脳ー赤核線維は正常幼弱ネコにも存在するが、その形態を観察することによって以下の事実が明らかとなった。(1)赤核内の軸索終末は成長円錐で終ることは少く、棍棒状又は小さな球形状のものが多かった。(2)分枝は極めて希にしか見い出されなかった。(3)線維は赤核内に広く分布しており、明確なトポグラフィ-は見い出されなかった。ところが皮質に損傷を与えると、その2日後位から多数の成長円錐が見られるようになり、1〜2週間後には側枝や箒状の無数の分枝のある終末が観察された。またこれに行平してトポグラフィ-の形成が観察された。 以上の事実は、損傷によって(1)分枝の形成を促す何らかのメカニズムが働くようになるが(2)それは無差別に作用する成長因子のようなものではないことを示唆している。
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