哺乳類における卵母細胞の成熟と退行の調節因子について
Project/Area Number |
02222204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 英明 京都大学, 農学部, 助教授 (80093243)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 哺乳類 / 卵母細胞 / 卵成熟 / 細胞死 / グリコスアミノグリカン |
Research Abstract |
1.卵母細胞の成熟の調節因子 マウスの卵母細胞を卵胞から分離し体外で培養すると自然に減数分裂を再開始するが、この再開始はcAMP誘導体により抑制される。今回カルモジュリンアンタゴニストW7の影響を調べ、W7は濃度依存的にマウス卵母細胞の減数分裂の再開始を抑制することを認めた。また培養開始15分までに起こる現象にW7が関与することを明らかにした。W7による抑制は部分的に可逆的であるが、cAMP誘導体による卵核胞の崩壊の抑制を増強させる作用のあるhypoxanthine,estrogen,testosterone,progesteroneはW7の作用を増強しないことを認めた。またcAMP誘導体とW7とともに培養された卵母細胞の形態を電子顕微鏡などにより観察し、その作用様式の異なることを明らかにした。W7はcAMP誘導体よりも、より初期の段階で抑制する傾向にあった。私達は先に顆粒膜細胞から卵母細胞の減数分裂を抑制するペプチド(meiosisーarresting factor,MAF)を分離しているが、本ペプチドはW7に似た作用様式をもっていた。以上の結果は減数分裂の休止が複数の物質で制御されていることを示すものである。またMAFの遺伝子の同定も進展させている。ブタの顆粒膜細胞のcDNAライブラリ-を作製し、PCR法により目的の遺伝子を増幅させるとともに構造を解析している。また卵母細胞の成熟に間接的に影響をおよぼす血管造成因子も同定した。 2.卵母細胞の退行の調節因子 培養卵母細胞の成熟現象を解析する過程で卵丘細胞に卵母細胞の退行を抑える作用を認め、卵丘細胞の産生分泌物を蓄積すると考えられる卵胞液から卵母細胞の延長因子を分離している。本年度はブタの系を用いて検討し、その事実を確認するとともに、活性因子はヒアルロン酸を骨格とする分子であると結論した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)