Project/Area Number |
02225208
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
石田 肇 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70145225)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 形質人類学 / 頭蓋骨 / モンゴロイド / シベリア / 頭蓋形態小変異 / 顔面平坦度計測 |
Research Abstract |
1.シベリア・極東地域に住む現代集団の人骨、先史時代人骨、さらに北海道アイヌおよび北中国人のの頭蓋骨計測値36項目および頭蓋形態小変異35項目の個体別デ-タのデ-タベ-ス化を進め、頭蓋形態小変異についてはほぼ終了した。 2.アム-ル河流域の4集団は互いによく類似し、ニブフははっきりとした独自の形質を持たない。一方、サハリンアイヌは先学が指摘しているように、従来の頭蓋計測による比較結果以上にアム-ル集団を含む大陸集団からの遺伝的影響があったことが示唆された。さらにアム-ル集団は東アジア群と北アメリカ極北集団との中間に位置づけされた。 3.地域を広げ東アジア、シベリアおよび北アメリカの集団の頭蓋形態小変異の出現頻度を比較検討した。縄文時代人ないし北海道アイヌに類似するシベリアの集団はない。シベリアおよびアメリカの極北の集団は特徴的な形質を持ち、他のシベリア集団とは一線を画する。バイカル新石器時代人はアム-ル集団に近く、ほぼ同地域に住むブリヤ-トやモンゴルとは遠い。ブリヤ-ト、モンゴルそしてカザフは互いにたいへん類似する。これらの結果から、Debets(1951)の分類、すなわち、極北型、バイカル型、中央アジア型の3型に分類するということが頭蓋形態小変異の研究分析からも妥当であると確認された。 4.顔面平坦度計測を行ない他集団と比較検討した結果を総合すると、頭蓋形態小変異の研究結果と同じく、シベリア・極東のモンゴロイドはおおまかに3つの群に分けられそうである。 5.シベリアの旧石器人骨を文献的に調査した結果、モンゴロイドの北への拡散はおよそ2万年前であろうと推定された。
|