Project/Area Number |
02225211
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sapporo University |
Principal Investigator |
木村 英明 札幌大学, 教養部, 教授 (00073536)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 先史モンゴロイド / マリタ・ブレチ / アフォントヴァ山II / 寒冷地適応 / 石刃技法 / 楔形細石刃核 |
Research Abstract |
1 シベリアにおける旧石器時代の人類化石は、オクラドニコフ記念洞窟とアフォントヴァ山II遺跡、マリタ遺跡の例があるのみである。後二者の例から、旧石器時代の後期、少なくとも細石刃文化期に、モンゴロイドタイプの人々がシベリアに存在していたことは、疑いなかろう。そしてそもそもの拡散の時期とその後の展開についての解明は、考古学的研究にまかされる。 2 シベリアにおける旧石器文化は、大きく7段階に分けられる。最初の段階は、石英製の礫器を特徴とし、第2の段階は、アシュ-ル伝統のビファ-スを特徴とする。初期の様相は、なお不明な点が多い。 3 第3の段階に、氷河期(ズィリヤンスキ-)における最初の適応が確認される。ムステリアン伝統の東進と関連している。しかしその範囲は南シベリアに限られている。第4・第5段階(以後旧石器時代後期)の拡大は、石刃技法の発達とそれに伴う器種の分化、とりわけ葉形尖頭器に導かれたものであり、カルギンスキ-間氷期の気候の温暖化と結びついている。先史モンゴロイド集団の形成期であろう。こうした発展の連続として、シベリアの酷寒期への本格的な適応が果される。その最初の段階が、石刃の小型化によって特徴づけられるマリタ・ブレチの段階である。最寒冷期(サルタン氷期)にあたる次の段階で、細石刃技術を確立・発達させ、植刃尖頭器を考案し、狩猟技術を飛躍的に発展させている。特に楔形細石刃核とそこにみられる技術体系は、シベリアから蒙古、中国北部、日本、北アメリカに広がり、地域的まとまりをよく示している。と同時に、いくつかの小地域にグル-ピングが可能である。そこに見られるモザイク模様は、厳寒期、さらにその後の後氷期へと向かう激動の時代における先史モンゴロイド集団の北方地域への環境適応の様々な様相の反映であると見られる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)