栽培植物からみるアメリカ大陸先住民の拡散と適応戦略
Project/Area Number |
02225218
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
山本 紀夫 国立民族学博物館, 私4研究部, 助教授 (90111088)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1990: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 栽培植物 / アメリカ陸先住民 / 適応戦略 / トウガラシ / 根栽類 / 栽培化 |
Research Abstract |
栽培植物は人間にとって都合良く作り変えられた植物であるため、一般に自然散布の能力を失っている。この結果、植物の栽培化はもちろん、その伝播も基本的には人間の手によるものである。したがって、栽培植物の起源地や分布が明らかになれば、その伝播のル-ト、ひいては人間の拡散ル-トも明かに出来る可能性が生まれる。本研究では、これらの点に着目し、栽培植物の起源、分布、利用などの面からアメリカ大陸先住民の拡散と適応戦略の特質を明かにすることを目的とする。 アメリカ大陸に起源をもつ栽培植物は数多くあるため、本研究では新大陸の原住民文化のなかできわめて重要な役割をもちながら、これまで注目されることの少なかったトウガラシを重点的にとりあげた、トウガラシは、アメリカ大陸では、少なくとも4種の栽培種が栽培されているが、これらはそれぞれ別々の祖先種から、異なった地域で栽培され、現在も異なった分布域を示している。したがって、これらの栽培化のプロセスや分布の特色を究明することによって、栽培化した集団、すなわち先史モンゴロイド集団の拡散や適応戦略も明かにすることが可能となる。 この成果については、すでに一部を「栽培化とは何か一トウガラシの場合」(福武書店)で発表した。また、平成1年度から継続してきた根栽類の研究については、その成果を、平成2年10月ワシントンのスミソニアン研究所で行われた国際シンポジウム、「変革の種子」で発表した。このシンポジウムの結果については、ワシントン・ポスト紙のほか、数多くのマスコミが取り上げ、当該テ-マに対する国際的な関心の強さを痛感させられた。また、これらの発表を通して本研究方法の有効性が確かめられたため、本研究は次年度も継続して行う希望を持っている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)