新超伝導工学:トンネル電流による電子間相互作用の直接檢証
Project/Area Number |
02226226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
津田 惟雄 東京理科大学, 理学部, 教授 (20155386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 大介 東京理科大学, 理学部, 助手 (20206171)
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / トンネル効果 / 超伝導機構 / 電子フォノン相互作用 / 強結合超伝導 / エネルギギャップ / ビスマス銅酸化物超伝導体 |
Research Abstract |
我々は、トンネル伝導度に表れるべき微細構造を同定することにより、高温超伝導の機構を明かにせんとして研究を続けて来ているものであるが、本年までに、Bi2201,Bi2212,Bi2223全てで、フォノン構造を観察した。これは、非弾性トンネル効果によるものではなく、電子がフォノンを交換していることによる構造である。フォノン構造以外の構造は150meV以下では表れない。それ以上3フォノン領域迄高調波らしきものがみえるが、これが、非線形電子ーフォノン相互作用によるのかはまだ明確ではないが、Bi2223で特に大きくはないから、高温の直接的原因になるものではないと判断する。これらから次の結論が得られる。( 1)強結合超伝導体である。(2)面内ではギャップに異方性はない。つまりS波である。(3)フォノンが主たる貢献をしている。(4)Bi2212のギャップの温度変化はBCS的である。(5)トンネル構造はBi2201,Bi2212,Bi2223で類似しており、ある特定のフォノンのみが高温の原因になっているとは、考えられない。 以上の結果に基付き、我々は殆どすべての性質を定性的には説明出来る超伝導機構を提出した。電子はCuO_2面上に主として分布し、周囲のイオンの振動と相互作用をもつ。このとき層状構造(Ca,Y層のこと)に基づく異方的誘電関数とク-ロン相互作用の長距離性の故に、相互作用をもつフォノンの数はCuO_2層数とともに増加し、一方、伝導性のCuO_2層による遮蔽効果のため、3層でその増加は飽和する。T122(nー1)n系ではBaOからの寄与が有り、他よりも高いT_cをあたえる。TlやBiを中心とする数層が絶縁的か、伝導性を持つかにより、90Kから始まるか、40Kから始まるかがきまる。アイソト-プ効果はこのモデルと矛盾しない。このモデルが真ならこれ以上格段に高いT_cは銅酸化物では現れない。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)