高温超伝導薄膜のミリ波表面インピ-ダンスの測定およびミリ波表面損失逓減の研究
Project/Area Number |
02226228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
藤澤 和男 大阪産業大学, 工学部, 教授 (90029372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 幸男 大阪産業大学, 工学部, 助教授 (80093475)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | 高温超伝導薄膜 / ミリ波表面損失 / 誘電体管ファブリ・ペロ-共振器 / rf vortex(高周波渦糸) / YBCO薄膜 |
Research Abstract |
高温超伝導薄膜のミリ波表面損失の周波数依存性と表面rf磁界強度依存性の測定を行った。これは、高温超伝導薄膜をマイクロ波回路素子に応用する場合の周波数上限と許容電力を明らかにする上で、また高温超伝導薄膜の物性解明の上で極めて重要である。 測定には、高誘電率セラミックス薄肉管(ε_r=24.8、肉厚0.5mm、外径3.0mm)の両端を純銅板と試料薄膜板で終端して構成したファブリ・ペロ-共振器を用い、そのHE_<11n>モ-ドのQ測定から試料の表面損失を求める方法を採用した。そして、この共振器との入力導波管との結合度が相当広い周波数範囲で同程度の値を取ることを明らかにした。これより、同一の共振器を用いて、試料薄膜にミリ波表面抵抗を広い周波数範囲で測定し得ることを明らかにした。また、高誘電率の薄肉管の使用により、試料薄膜上の表面電流が狭い範囲に集中し、そのため試料の表面損失が増大して、表面損失あるいは表面抵抗の測定精度が向上することを数値的に明らかにした。 実際の実験としては、作製後13ケ月を経過したC軸配向エピタキシァル成長YBCO薄膜のミリ波表面抵抗をUバンドにおいて測定し、その表面抵抗は、54GHz帯では純銅板のそれより大きく、41GHz帯では70K以下の温度で純銅板のそれより小さいことを見出した。 つぎに、34GHz帯の高出管ラダ-トロンにパルス発振出力を用いてこの共振器の測定を行う測定系を整備し、共振器へのミリ波入力を変化させて、YBCO薄膜の表面損失の照射電力依存性あるいは表面磁界依存性を求めた。そして、試料の臨界温度近傍で、ある臨界磁界を超えると表面損失が急上昇し出す現象を見出した。これは、rf vorteが薄膜中に侵入するためと結論した。ミリ波帯で、高温超伝導薄膜へのrf vortexの侵入を実測したのは、世界的にも始めての成果である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)