Project/Area Number |
02228115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
西尾 文彦 北海道教育大学, 教育学部・釧路分校, 教授 (40044789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長 幸平 リモートセンシング技術センター, 研究部, 主任研究員
岡本 謙一 通信総合研究所, 大気圏電搬研究室, 室長
菊地 時夫 高知大学, 理学部, 助教授 (70127926)
渡辺 興亜 国立極地研究所, 研究系, 教授 (60111861)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Keywords | 浮氷舌 / 白瀬氷河 / 海氷 / ポリニヤ / 棚氷 |
Research Abstract |
<白瀬氷河の浮氷舌の変動と気温・積雪・日射の関係>___ー:白瀬氷河の浮氷舌の末端の位置の観測は過去30年間続けられてきた。観測は1973年までは地上、航空機を利用。その後はLANDSAT,MOSー1衛星デ-タを用いた。浮氷舌が最も延びたのは1961年で長さは河口から約70km。浮氷舌の後退が示すことは、1)過去30年間浮氷舌は後退、最近では白瀬氷河の河口まで後退。2)浮氷舌がリュツオ・ホルム湾内に存在して伸長する場合、約2.5km/年の速度で延び、この速度は白瀬氷河の河口での流動速度と同じ。現在、河口まで後退した浮氷舌が再び1961年頃の長さに延びるには約25年かかる。3)1980ー81年および1987ー88年の例から浮氷舌が漂流するのはリュッオ・ホルム湾の海氷が広い範囲で割れるからであり、浮氷舌の存在とリュッオ・ホルム湾内の海氷は密接な関係にある。昭和基地の過去30年間の地上気温の年平均値には上昇傾向が認められ、1980年は年平均値が平年より約2℃も高温、リュツオ・ホルム湾内では海氷が流出し、開水面が発生し浮氷舌が分離し氷山となって漂流。1980年は全球的にも気温が高かった年である。 <リュッオ・ホルム湾の海氷変動>___ー: リュッオ・ホルム湾の海氷の状況は、棚氷が存在する湾の西岸では過去に流出した観測がなく多年氷が常に存在。一方、白瀬氷河の北方から昭和基地にかけてはポリニヤ露岩帯近くに毎年のように現われ、年によっては大きな開水面が広がる。リュツオ・ホルム湾全体で海氷が割れて開水面が拡がる原因は、海流や海底地形などによる海洋環境もあるが、年々の気象状況による影響と考えられる。海氷成長期に気温が高いときは、海氷厚が十分成長せず薄いので、夏には表面からの融解が進みやすく氷の強度が落ちる。擾乱によるうねりなどが外洋から湾内の海氷域へ進入した場合など海氷の破壊が進む。気象条件として、平年より高い気温、日射量が多く、積雪量が海氷上に少ないなどの条件がリュッオ・ホルム湾の海氷の存在状態に影響を及ぼしていることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)