洋上における広域運動量フラックス場の推定に関する研究
Project/Area Number |
02228209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
轡田 邦夫 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40205092)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1990: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 運動量フラックス / 海上風 / 北太平洋 / 衛星デ-タ / 客観解折デ-タ / 船舶デ-タ / SSM / I |
Research Abstract |
本研究は、海洋における種々の変動現象の発生要因として最も本質的な役割を果たすと考えられる大気から海洋への運動量フラックスの評価の確立を目的とした。具体的には、洋上における運動量フラックスの輸送の担い手である海上風の平均場及び時間変動場の信頼性を検討するために、対象海域を北太平洋に絞り、以下のことを行なった。 1.航行船舶のル-チン観測から導出される海上風デ-タ(気象庁より取得)から、北太平洋上における月平均場を作成し、海洋の変動現象に対する影響等の考察を行った。その結果、船舶デ-タには、デ-タ密度の不均一という不可避の間題点があるため、月平均より短い時間間隔での空間場の確立は困難であり、数カ月以下の時間スケ-ルの変動現象の研究には適さないことが明らかとなった。 2.大気の数値予報モデルによって客観解析されたデ-タ・セット(米国立気象センタ-より取得)における最下層(1000mb高度面)の風デ-タを抽出・編集処理し、船舶デ-タによる海上風との比較を行った。その結果、風速や東西・南北成分の分布自体に顕著な相違は認められなかったものの、発散場や回転場といった空間微分量において客観解析デ-タの方が系統的に小さいという相違が認められた。 3.現在取得可能な衛星デ-タ(SSM/I:米NASAより取得)から推定された海上風速値と、船舶及び客観解析による風速値との比較を行なった結果、数百km以上の大規模な変動場に対しては、ほぼ一致する傾向が見られたが、それより小さいシノプティック以下のスケ-ルの変動場に対しては系統的な差異が認められた。 本研究の成果は、洋上での運動量フラックスを短期間に広域で評価することが可能な衛星デ-タからの推定法の確立に対して、重要な役割を果たすと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)