Project/Area Number |
02230108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大木 道則 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40011407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 学 東京大学, 理学部, 助手 (70011632)
深沢 義正 広島大学, 理学部, 教授 (50004502)
竹内 敬人 東京大学, 教養学部, 教授 (80012384)
兼松 顯 九州大学, 薬学部, 教授 (70023041)
石津 和彦 愛媛大学, 理学部, 教授 (60036184)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥31,500,000 (Direct Cost: ¥31,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥31,500,000 (Direct Cost: ¥31,500,000)
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Keywords | 溶媒効果 / 結合解離 / アレニルエ-テル / アレニルスルホン / 鉄TPP錯体 / 有機ゲルマニウム化合物 / シクロファン / 分子ギア |
Research Abstract |
溶媒分子の大きさが分子の解離速度に及ぼす影響を調べるため、ボラン・アミン錯体およびαークロロベンジル=エチル=エ-テルにつき、嵩高い分子の溶媒中での解離速度を求めた。前者は解離が速くなり、後者は遅くなった。このことは溶媒和に対する立体効果で説明が可能である。アレニルスルホンの分子内環状反応における構造・活性相関を調べた結果、基質のジエン部位がSーシス配座を取りやすい場合には[4+2]型付加体が、一方、基質の2位に置換基があってジエン部位の配座がSートランスを取りやすい場合には[2+2]付加体が優先することを明らかにした。ヘム酵素の酸素活性化機構を明らかにするため、モデル物質を作って過酸化物錯体生成の機構に関する情報を得、また膜輸送過程の研究の一環として銅(II)錯体の構造と輸送速度の相関について知見を得ることができた。ゲルマニウム原子を構成員とする種々の環状化合物を成合し、そのスペクトルおよび分子力学による計算の結果を元にして、その安定配座を求めた。ゲルマシクロペンタンは対称ねじれ構造が安定であった。これは、対応する炭素骨格とは全く異なる結果であり、炭素・ゲルマニウム結合が長いための効果と考えられる。架橋鎖にヘテロ原子を含む[m.m]シクロファンや芳香族部分にヘテロ原子を含むシクロファンを合成し、環電流効果を用いる配座決定法によってこれらの構造を求め、安定な配座を決定した。8ーハロー1,4ージメチルー9ー(2ーメチルベンジル)トリプチセンにおいて2種の安定な回転異性体を単離することに成功した。このうち一方の異性体は、加熱することにより、融解することなく、結晶中でもう一方の異性体に異性化することが分かった。結晶のなかで分子がこのような大きな運動をすることは、大変興味深いことである。
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