Project/Area Number |
02230205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
西村 淳 群馬大学, 工学部, 教授 (10107352)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | リチウムイオン選択的輪送 / リチウムイオン選択的抽出 / クラウンエ-テル / ダブルル-プ化クラウンエ-テル / シクロファン / シクロブタン環 / スチレン誘導体 / [2+2]光環化付加反応 |
Research Abstract |
スチレン誘導体の分子内[2+2]光環化付加反応を用い、新しい分子設計の思想のもとに、分子認識場の構築、取り込み、輪送の検討及びその機能の向上を目指した。これまでに検討してきた[2+2]光環化付加反応を利用したシクロファン類の合成法が、クラウンエ-テル類の合成にも応用可能なことが明らかになり、さらに得られた化合物について興味深い性質、リチウム選択性、二塩基酸のサイズによる選択性が認められた。 クラウンエ-テル類の合成のどの段階も高収率であったが、特に光環化付加反応はほぼ定量的な収率を与えた。oー、mー、pー位置異性体を合成し、ラウリン酸との協同担体による競争的抽出を行い、そのアルカリ金属イオンに対する適合性を見たところ、いずれもリチウムイオンに対して良い選択性を示した。そこでこの系を用いて受動輪送を検討した。抽出ほどには高いリチウム選択性を示さなかったが、これまでリチオフィリックと報告されているクラウン化合物よりも良い結果を与えた。また先の抽出の結果を考慮に入れ、これらによる輪送の律速過程は、抽出段階であると結論できた。これらにアルカリ金属イオンがどのように取り込まれているのかを検討するため、金属イオン存在下クラウンエ-テル鎖のプロトンの化学シフトの変化を測定した。その結果芳香環から離れたエ-テル部分にイオンが取り込まれていることが分った。ダブルル-プ化したクラウンファンを上述と類似の方法で調製し、そのアルカリ金属イオン輪送能をラウリン酸との協同担体を用いて検討したところ、各々のクラウンエ-テル部分に最も適合するリチウンイオンを1個づつ取り込んで同時に輪送している結果を得た。この結果はサイズの適した二塩基酸(約8.4A)をリチウム塩とすれば、液膜を通して選択的に輪送できることを示唆している。実際カルボン酸残基間の距離すなわちサイズによる選択的輪送が認められた。生体内の担体との関連で興味が待たれる。
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