Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本年度は,以下に述べる2つのテ-マをほぼ完成させた 1.SeーSe結合を含むホスト分子の合成と触媒的合成反応への応用 SeーSe結合が酸化的にも還元的にも容易に切断される事実を利用して,SeーSe結合を含むホスト分子を合成し,有機セレン化合物とオレフィンとの触媒的付加脱離反応を開発した.この反応は,セレンとオレフィンの反応として,触媒的に進行する初めての化学反応で,酢酸アリルエステルが収率350%で得られるという,きわめて期持が持てる反応である. 2.ヘテロ元素系における軌道相互作用 2.1 14族元素を含む官能基のC=Cπ結合に対する電子効果 Me_3MCH=CH_2(M=C,Si,Ge,Sn)系をモデルとして,光電子スペクトルと分子軌道計算から軌道相互作用を考察した.ケイ素の場合,従来,d軌道関与,MeーSi結合の分極効果,長いCーSi結合距離による重なり積分の減少などで説明されているが,軌道相互作用によれば,π軌道に混合するMe_3Si基の被占MOの係数がtーBuの場合により小さいこと(すなわち係数効果)が主な原因である. 2.2 エポキシシランのSN2反応における位置選択性と軌道相互作用. エポキシシランの2分子求核置換反応の位置選択性は,LUMOの反応位置の係数の大小で決らず,置換基の軌道の結合的関与の大小,すなわち,“隣接軌道関与"で決まることが,LUMOにおける反応位置での炭素原子のvan der Waals球の外側の電子密度(Exterior Electron Density:EED)から,判明した.
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