Research Abstract |
1.7Hーベンゾシクロヘプテンー1,4,7ートリオン1の系列については6ーフェニルチオおよび、6,8ービス置換体2,3を合成し、そのCVを測定した。そのE_1は今までに得たトロポン縮環キノン類およびそのジヒドロ体の値とともに、MNDO計算したE_<(LUMO)>とよい直線関係を示した。3は深赤色の結晶で導電性の期待されている。DーAーD型のプロトタイプとして今後の分子設計に興味がもたれる。2,3の合成は1,4ージメトキシー5,6,8,9ーテトラヒドロー7Hーベンゾシクロヘプテンー7ーオンとジフェニルジスルフィドから一段階でモノおよびジ置換体に導き、キノンに酸化して得る新しい方法である。また種種の前駆体である置換1,4ージメトキシー7Hーベンゾシクロヘプテンー7ーオン4を得るための経路の短い合成法を開発した。 2.新しい共役系7Hーベンゾシクロヘプテンー2,3,7ートリオン5については、その前駆体である2,3ージメトキシー7Hーベンゾシクロヘプテンー7ーオン6及びその1,4ージメチル置換体7、1,4ージプロピルー6,8ージメチル置換体8を合成し、三臭化ホウ素で脱メチル化してそれぞれ対応するカテコ-ルに導き、酸化反応を研究した。カテコ-ルは何れも溶媒に灘溶性の化合物で取り扱いに困ったが、8の場合酸化生成物をoーフェニレンジアミンと処理して6,12ージプロピルー8,9ージメチルー9Hーシクロヘプタ[b]フェナジンを得た。この事から1,4ージプロピルー6,8ージメチルー5(9)が形成されていることは明かで今後9の単離に向けて研究を続ける予定である。 3.ベンゾ[1,2:4,5]ジシクロヘプテンー3,6,9,12ーテトラオン系については、電子吸引性置換基としてカルボメトキシ基の置換した前駆体2,6,8,10ーテトラカルボメトキシー6,12ージメトキシベンゾ[1,2:4,5]ジシクロヘプテンー3,9ージオンを合成し、二、三酸化を試みた。
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