金属と小員環化合物間の相互作用を制御因子とする反応系の研究
Project/Area Number |
02231211
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 栄一 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00134809)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
|
Keywords | シクロプロペノン / ペニトリシン / カルボメタル化反応 / 不斉合成 / 有機銅化合物 / 1,4ージカルボニル化合物 |
Research Abstract |
研究目的.本研究は化合物の複合的な性質の中から特定の性質を取り出して研究し,さらにこれを反応の高次制御に応用するために置換シクロプロペノン誘導体に注目と研究を行なった。本年度の研究の結果(1)シクロプロペノン誘導体の効率的合成法およびシクロプロペノン抗生物質の合成への応用,(2)高度の不斉誘起を伴う歪んだ二重結合へのカルボメタル化反応の中心とする新しい有機反応を開発できたので報告する. 研究成果.(1)シクロプロペノン誘導体の効率的合成法.三員環の極度の歪みによりシクロプロペンのビニル炭素がアセチレンに近い性質を示し、ビニル位のCーH結合がかなり高い酸性を示すという事実に注目し,シクロプロペノンの置換体の極めて効率的な合成法を開発した.新法によって特異なシクロプロペノン抗生物質であるペニトリシンおよびその類縁体を各種合成しその抗菌活性,細胞毒性およびその構造活性相関を検討した.(2)不斉カルボメタル化反応.オレフインのカルボメタル化は有機合成,特に不斉合成の手法として大きな潜在能力を持った反応であるが,これまで極めて限られた反応例が知られるのみであり,エナンチオ選択的な反応の例は皆無であった.本研究でははホモキラルなC2対称性を持つジオ-ルに由来するケタ-ル化合物を上述の方法で合成し,これに有機銅化合物を付加されることにより94%d.e.から98%d.eにわたる選択性で不斉誘起が起きることを発見した.こうして生じたシクロプロピル銅試薬と求電子反応剤の反応を利用して有機合成的に利用価値の高い1,4ージカルボニル化合物の不斉合成法を開発することができた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)