Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
タ-ゲット塩基配列を組み込んだ合成DNAを基質として用いることにより,制ガン剤ブレオマイシン(BLM)およびネオカルチノスタチン(NCS)によるDNAの塩基配列特異的切断の機構を有機化学的手法により詳細に解析し,その切断反応,概要を明らかにするとともに,新しい様式によるDNA塩基配列の分子認識の機構を提唱した。BLMによるDNA切断反応の研究では,リボ-スの代りにシクロペンタンを持つヌクレオシドをDNAに組み込むことにより,BLMによる新しい様式のDNA切断反応を見い出し,活性型BLMが2電子移動プロセスでDNAを切断することを突き止めることに成功した。 一方,NCSに関する研究においては,NCSのモデルとして数種の非現状エンインアレン誘導体を合成し,これらが体温条件下で速やかにビラジカルを発生し,DNAを切断できることを実証した。同時に,天然のNCSが何故チミン部位を特異的に認識するかについて,各種の修飾ホリゴヌクレオチドを用いることにより,詳細なDNA切断反応の解析を行い,新しい型式の分子認識の機構を提出した。この仮設は,コンピュ-タ-グラフィクスを用いることにより視覚的にとらえる事に成功し,分子力場計算によりその妥当性が支持された。 BLNおよびNCSにより,DNAのリボ-ス部位のCー4'が酸化されるが,これを定量化する方法を開発し,実際長いDNAでもCー4'酸化がかなりの効率で起こることを突き止めることに成功している。
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