Project/Area Number |
02231216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒沢 英夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (40029343)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | πーアリル(オレフィン)錯体 / 立体保持反応 / X線構造解析法 / 高分解能NMR法 |
Research Abstract |
本研究では、オレフィン配位子およびπーアリル酸位子と金属との相互作用の特性が、これら有機配位子の変換反応の選択性発現にどのように活用できるかを追求した。まず触媒的アリルカップリングが、πーアリル(オレフィン)パラジウム中間体を経由する場合に、著しい加速効果を受ける事実を見出したことにかんがみ、取り扱いのより容易な中間体モデルとして、πーアリル(スチレン)(ペンタフルオロフェニル)白金を合成、単離した。この錯体の固体構造および溶液構造を、X線解析法およびNMR法の解析により決定した。オレフィン配位子のC=C軸が、配位平面内に位置することが大きな特徴である。また溶液中で存在する二種類のジアステレオ異性体間の異性化機構として、白金ーオレフィン配位子間結合の解裂を含まない新奇な経路の存在を推定した。 つぎにパラジウムーオレフィン錯体が触媒活性種となるアリルカップリングの立体化学を検討した。オレフィンとして無水マレイン酸のような電子吸引性の高いものを使用すると、有機スズと塩化アリルからカップリング生成物への変換は、新奇な立体保持的求核置換に相当することが判明した。そこでこの触媒反応サイクル中の鍵ステップである、ゼロ価パラジウム錯体と塩化アリルとの量論的酸化的付加反応の立体化学を調べた。するとゼロ価錯体の配位子として、電子吸引性オレフィンであるジベンジリデンアセトンや無水マレイン酸を使用し,溶媒としてベンゼン,塩化メチレン,テトラヒドロフランを用いた場合に限って、酸化的付加が珍らしい立体保持で進行し、相当する立体化学のπーアリルパラジウム錯体を単離した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)