Project/Area Number |
02231228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 啓介 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90162940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 隆司 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (70212222)
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Project Period (FY) |
1989 – 1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 前周期遷移金属 / 複合的利用 / Cーアリ-ルグルコシド / フェノ-ル / 2ーデオキシ糖 / ビネオマイシンB_2 / 五塩化ニオブ |
Research Abstract |
有機金属試剤の複合利用による新機能の発現と、それを用いる新しい有用な合成反応の開発の研究を行っている。本年度は特に次の二点について重点的な研究を行った。 1.Cp_2MCl_2ーAgX(M=Zr,Hf)系によるCーアル-ルグルコシド化反応 最近我々が見出した新しい手法のうち、「O→Cーグルコシド転位反応」を用いた抗腫瘍抗体物質ビネオマイシンB_2の全合成を計画し、それに適用すべく、試剤の洗練化、より詳細な検討を行った。メタロセンの中心金属や銀塩の選択、複合比の調節、グリコシル供与体の設計などにより、目的に応じた反応性の発現が可能であることが明らかになった。これを基に(1)多環性フェノ-ル類との位置選択的反応,(2)アノマ-間の平衡を利用した、熱力学的支配による2ーデオキシ糖の反応の立体化学の制御、が可能になり、ビネオマイシノンB_2の全合成に成功した。 2.新しい炭素ー炭素結合形成反応の開発 五塩化ニオブーアリルトリメチルシラン複合系による新しい形式の炭素ー炭素結合形成反応を見出した。 アルデヒドとアリルトリメチルシランに対して、五塩化ニオブを活性化剤として作用させると、通常の桜井型反応に引き続き、もう1モルのアリルトリメチルシランが反応し、シクロプロピル基の形成を伴いながらアリル化が進行する。この反応はホモアリルアルコ-ルの水酸基が五塩化ニオブの作用で脱離することにより生成するカチオン中間体を経由しているものと考えられ、その独特な活性化様式に興味が持たれる。
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