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¥52,100,000 (Direct Cost: ¥52,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥52,100,000 (Direct Cost: ¥52,100,000)
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Research Abstract |
本研究は40eV〜1KeVの軟X線に対し,(1)高効率多層膜光学素子の開発,(2)その基礎となる超薄膜状態における各種物質の光学定数の決定,(3)光学素子の耐熱性の研究,(4)高効率偏光素子の開発とその応用を目的とする.そのため本年度は主として,(1)偏光解析を用いて蒸着膜が初期過程で島状構造から連続膜に移る臨界膜厚の決定,(2)同一薄膜試料について反射率と全光電子収率の測定デ-タから得られる光学定数の比較,(3)レ-ザ-光の反射を利用した光学素子表面形状モニタ-の製作,及び軟X線多層膜のアニ-リングテスト,(4)40ー80eV用に3回反射型偏光子を,また高エネルギ-帯域用に2回反射型多層膜偏光子の製作を行なった.主たる成果を次に記す.(1)BK7ガラス基板上にイオンビ-ムスパッタ-で蒸着したC,Si,Ni,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,W,Re及びAuの12種類の蒸着膜について臨界膜厚を決定した. (2)PtとRh薄膜について軟X線反射率と全光電子収率のデ-タから得られた光学定数は70eVー900eVの範囲でよく一致することから,両方法が光学定数を決定する方法として信頼性の高いことが確かめられた. (3)レ-ザ-ビ-ム表面形状モニタ-の性能評価を行ない,放射光ビ-ムラインに組み込まれた光学素子の表面形状測定に十分な性能を有することを確認した.また,Mo/SiやRu/Si多層膜のアニ-ルテストからイオンビ-ムスパッタで作製した多層膜はマグネトロンスパッタのものより熱的安定性が高いことが分かった. (4)金コ-トした3回反射型偏光子を用いてAuとBaF_2の光学定数を40ー80eVの範囲で偏光解析的手法で決定し,この方法が有効であることを確認した.また,2回反射型多層膜偏光子の性能評価を放射光を用いて行い,透過率は80ー120eVの範囲で5%以上あり,最大で30%を示し,偏光能は99.5%以上と極めて高いことを確認した.
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