エイズウイルスRNAの塩基配列特異的リボザイムによる細胞内破壊の可能性の検討
Project/Area Number |
02235205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西郷 薫 東京大学, 理学部, 教授 (50136454)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | エイズ / リボザイム / ウイロイド / HIV / 鋸型リボザイム / RNAライゲ-ス / STobRV / RNA切断 |
Research Abstract |
エイズの治療のために、抗HIV抗体をもちいようとの考えは、最も基本的な考え方の一つであろう。しかしウイルスのゲノムが非常に代わり易いため、適切な抗体を作ることは必ずしも簡単でないとの指摘も多い。ここでは、抗体の代わりにゲノムRNAを直接破壊できるribozymeの使用の可能性について調べる事を目的とする。本年度は、試験管内のribozyme活性を検討し、それを基にribozymeの特異性と比活性増大のための“鋸型ribozyme"を作製し、合わせ問題点を検討した。1)植物ウイロイド、sTobRV RNAのribozyme活性部位にHIV RNA切断のためのウイングをつけ、試験管内での切断活性を調べた。その結果、HIV RNAの明確な切断が認められた。標的RNAの長さは、分子間反応で10bp、分子内基質の時は5bp程度必要であった。また、sTobRV ribozymeには、RNA分解反応の逆反応を触媒する弱い活性も見いだされた。2)鋸型ribozyme: sTobRVのribozymeドメインとHIV RNAと相補的な塩基配列を持つウイングからなるribozymeをホモまたはヘテロに2ー16個つないだ鋸型ribozymeを作った。3種類の基質を切断する事により、各ribozymeの活性ドメインは、独立に作用する事が明かになった。これにより、100個のribozymをタンデムに連結すれば、100倍の活性を持ったribozymeを作製する事ができる。しかしながら、個々の鋸型ribozymeを詳しく調ベてみると、その多くが不安定である事も明かになった。分解産物の構造を調べる事により、同一分子内のribozymeによる自己消化に基づくものである事が判明した。不安定化を避けるためには、ribozyme分子内にCUGが含まれないように配慮する事が重要である。in vivoでの活性の検討は、現在福島医科大学と共同実験を始めた所である。
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Report
(1 results)
Research Products
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