Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 克三 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00029521)
盛田 フミ 北海道大学, 理学部, 教授 (80000818)
八木 直人 東北大学, 医学部, 助手 (80133940)
沼田 治 筑波大学, 生物科学系, 講師 (50189354)
岡本 洋 順天堂大学, 医学部, 講師 (70103877)
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Budget Amount *help |
¥28,000,000 (Direct Cost: ¥28,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥28,000,000 (Direct Cost: ¥28,000,000)
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Research Abstract |
昨年度の成果を踏まえて,アクチンミオシン系の滑り運動系の動的微細構造の解析を進めた。本年度の本研究班の成果のうち,最も注目すべきものは,Caged化合物を用いた急速凍結電子顕微鏡法の完成と,その応用である。以下に本年度の成果をまとめる。 1.Caged化合物を用いた急速凍結電子顕微鏡法の開発(月田承一郎):昨年度より開発をはじめていたが,本年度はすべての技術的問題点を克服し,ほぼ完成した。この凍結システムを用いて2つの実験を行ないつつある。 第一は,Caged ATPを利用して、アクトS1複合体から,S1が解離していく様子を,ミリ秒時間分解能のコマ取り電子顕微鏡像として追跡していこうとするものである。多くの努力の結果,S1がアクチンフィラメントからその結合様式を変えながら離れていく様子をとらえることに成功した。その像の解釈は,これから慎重に行なわれなくてはならないが,滑り運動の分子機構を考える上で,極めて貴重なデ-タが得られたものと思われる。第二の実験は,やはりCaged ATPを利用して,本当に最大収縮速度で収縮(短縮)している途中のミオシンクロスブリッジの姿をとらえようとするものである。 現在,そのような姿がとらえはじめており,最終年度の解析が期待できる。 2.ミオシン分子上のアクチン結合部位が詳しく解析された(山本・盛田) 3.酵母を用いて,種々の遺伝子組換えアクチンを作製する道を初めて開いた(沼田治)。 4.収縮(短縮)中の骨格筋からX線回折パタ-ンを得ることに成功しつつある(八木直人・若林克三)。 5.月田らとは異なった方向から,Caged化合物と電顕像を結びつける試みを行ない,見通しがたつようになった(徳永万喜洋)。
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