モノクロ-ナル抗体を用いたアルツハイマ-脳沈着PHFの意味づけ
Project/Area Number |
02240101
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
新井 孝夫 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (60107422)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 敏弘 信州大学, 繊維学部, 助教授 (50126702)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | アルツハイマ-脳 / モノクロ-ナル抗体 / PHF / 微小管結合タンパク質 / 神経突起 |
Research Abstract |
アルツハイマ-脳に蓄積するPHFは、この脳中で異常に伸展した神経突起に由来すると考えられており、微小管結合タンパク質(MAPs)の1つであるタウタンパク質がその主要構成成分であることが知られている。昨年度、私達は井原康夫都老人研室長との共同研究により、MAPIBもPHF構成成分の1つであることを報告した。本年度は、ラット脳発達に伴うMAPIBをはじめとするMAPsの発現量変化と、抗MAPIB抗体との反応性の変化について研究した。 ラット脳の可溶性画分をSDSポリアクリルアミドゲル電気流動で分析したところ、脳の発達に伴って増加するMAPIAとMAP2Aの両者で、その増加のパタ-ンに差のあることがわかった。すなわち,MAPIAは生後10日目まではほとんど発現せず10日目以降に著しい増加が見られるのに対し、MAP2Aは10日目以前でも発現量の増加が観察され、10日目で成熟脳の約50%に達していた。MAPIBの減少は、両者の中間で、10日目以前にも減少はみられるものの、その程度は30%以下であった。 出生直後の脳にはMAPIAはほとんど含まれていないので、この脳の抽出液から私達の開発したポリーLーアスパラギン酸法のMAPI画分を得ることにより、MAPIBを精製した。この標品を抗原として用いて,抗MAPIB抗体を得、各発達段階の脳抽出液との反応性を調べた。その結果、MAPIBには抗原性の異る分子が少くとも2種類存在し、うち一方は発達脳に多く、他方は成熟脳に多いと推定された。また、成熟脳型の分子種は微小管との結合性が弱かった。 以上の結果から、MAPIBの減少は10日目以前でも起こっているがその減少は小さいとうゲル電気家動の結果は、MAPIBの2種の分子種の変化を合わせたものであると考えられる。今後は、これら2種の分子種の変化を別々に測定する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)