中枢神経系由来培養細胞株における神経伝達物質の放出とシナプス形成機構の解析
Project/Area Number |
02241215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
宮田 雄平 日本医科大学, 薬理学教室, 教授 (00014275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小向 正恭 日本医科大学, 薬理学教室, 助手 (10195860)
斉藤 文子 日本医科大学, 薬理学教室, 助手 (50142526)
佐久間 雅文 日本医科大学, 薬理学教室, 助手 (10215676)
宇井 久美子 日本医科大学, 薬理学教室, 助手 (50213327)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 中枢神経系 / ショウジョウバエ / 培養細胞株 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
キイロショウジョウバエ幼虫の中枢神経系より継代培養細胞株を樹立し、そこからクロ-ン細胞株をすでに得ている。正常な神経細胞からの継代培養細胞株は末だ報告がなく、この株が初めての例である。したがって、この細胞株は神経系の情報伝達およびシナプス形成機構を細胞分子レベルで解析するための良いモデル系となり得ると考えられる。しかしそのためには、これらのクロ-ン株の神経細胞としての性質を明らかにしなければならない。これらは昆虫の神経細胞のマ-カ-として用いられている抗HRP抗体に対する抗原を保持しているということがわかっている。今年度は、特に神経細胞の重要な性質の一つである神経伝達物質の検索をHPLCを用いることによって詳細に行なった。その結果、 1.アセチルコリンが、11株中8株で検出された。 2.LーDOPAが、11株中7株で検出された。 3.ド-パミン、ノルアドレナリン、アドレナリンは調べたすべての株で検出限界以下であった。 4.アセチルコリンとLーDOPAの両者が、11株中5株で検出された。 5.プロクトリン、サブスタンスP、ソマトスタチン等のペプチド性神経伝達物質候補も検出された。ソマトスタチンがショウジョウバエの神経系に存在するという報告はまだなく、興味深い。 6.ほ乳類における興奮性、および抑制性アミノ酸性神経伝達物質候補であるアスパラギン酸、グルタミン酸、およびグリシンも同定された。 以上の神経伝達物質候補の含有量は、培養下で昆虫の変態ホルモンを投与することによって変化することが確認された株もあり、変態時に生体内で起こる変化を反映していると予測させる結果を得ている。またこれらの物質の合成酵素の有無を免疫組織学的に調べるとともに、神経刺激によって細胞外へ放出されるか否かを現在検索しており、伝達物質として作用している可能性を確実にしたい。さらに、培養下でシナプスが形成されているかどうかについても、電顕的に検討を行なっている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)