Project/Area Number |
02242202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福田 裕穂 東北大学, 理学部, 助教授 (10165293)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 不定胚 / cDNA / 分子生物学 / ニンジン / 伸長因子 / 維管束分化 / ヒャクニチソウ / differential screening |
Research Abstract |
本研究は、胚形成の分子マ-カ-を見いだしこれを用いて不定胚初期過程を分子生物学的に解析することを目指した。実験系としては、藤村・駒嶺により確立されたニンジンの懸濁倍養細胞系を用い、二つのアプロ-チを行った。 1.球状胚段階の胚からmRNAを単離し、ラムダgt11を用いてcDNAライブラリ-を作成した。また、非分化増殖細胞からもmRNAを単離した。この非分化細胞のmRNAと初期胚のmRNAをもとにdifferential screeningを行い、分化初期過程で発現する遺伝子の単離を試みた。その結果、分化初期に強く発現するcDNAが単離された。このcDNAの全塩基配列を決め、ホモロジ-検索をしたところ、この遺伝子はタンパク質翻訳に働く伸長因子(eEFー1α)ときわめてホモロジ-が高く、アミノ酸ベ-スでシロイヌナズナと93.7%のホモロジ-があった。ノ-ザンブロット解析により、この遺伝子は球状胚形成時期に一時的に発現が強くなり、不定胚形成後半には再び発現量が減少することがわかった。 2.維管束分化は胚形成の最も初期に起こる組織分化の一つであり、ニンジン胚発生過程では心臓型胚期に起こると考えられている。この維管束分化に特異的な遺伝子を胚発生初期過程解析のための分子マ-カ-として用いたいと考えた。そんために、ヒャクニチソウ葉肉細胞分化誘導系を用いて、木部細胞分化の初期に発現する遺伝子のdifferential screeningによる単離を試みた。その結果、5つのcDNAが単離され、これら遺伝子は、木部形態分化直前に急激に発現することが明らかになった。
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