Project/Area Number |
02243116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
堤 研二 島根大学, 法文学部, 講師 (20188593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 弘二 大分大学, 教育学部, 助手 (90217703)
藤田 佳久 愛知大学, 文学部, 教授 (70068823)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 林野 / 土地利用変化 / 近代化 / 里山 / 牧野 / 奥山 |
Research Abstract |
平成2年度においては、当該研究代表者・分担者総計3名は、各々の担当する地域におけるインテンシヴな現地調査を行なうとともに、空中写真・新旧地形図、その他の諸資料を収集・分析し、近代化プロセスにおける林野利用・土地利用の変化を追跡した。 比較的開けた「里山」担当の堤は、福岡市の衛星都市として近年の人口増加が著しい福岡県太宰府市水城地区を調査した。そこでは、昭和45年頃からの住宅地化で林野・原野が減少する一方、農村的色彩の濃い集落も残っており、その持ち山も一部残存する。近世以来昭和30年代まで石炭を燃料の一助としていた為、少ない薪山が保全されていた。 隔絶的な山村の「奥山」担当の藤田は、四国山地のムラ、高知県高岡郡檮原町下西,川地区を例に調査を行なった。そこでは、広範囲にわたって分布していた部落有林野が林野統一事業により公有林化したが、その林野は「統合村有林」(のち町有林化)と称され、採草地、薪炭山・焼畑地・三椏栽培地として利用されていた。昭和30年代になり、薪炭生産・三椏栽培が衰退すると、新たな林野利用が模索され、統合村有林の性格上、地元民は組織的に育林化をすすめていかざるをえなくなった。 「牧野」担当の中島は、熊本県阿蘇郡阿蘇町黒川地区を例に調査を行なった。そこでは明治中期〜昭和15年頃までにおおかたの林野利用の変化を経験しており、原野・畑地の減少と林野・水田の増加がみられた。金肥需要の増加は、厩肥供給給源としての採草地の需要を減じ、蓄産業の進展は、放牧地への需要を増加させることとなった。 以上、3つのタイプの地域の林野利用の変化について調査・分析を行なってきたわけだが、今後は、さらに綿密な調査を続け、調査対象地の数も増やし、最終的には、近代化プロセスにおける林野利用の変化をモデル化ないしデ-タ・ベ-ス化していく予定である。
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