Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 博司 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (80187434)
小林 信一 東京工業大学, 工学部, 助手 (90186742)
藤村 正司 新潟大学, 教育学部, 助教授 (40181391)
加野 芳正 香川大学, 教育学部, 助教授 (00152827)
荒井 克弘 国立教育研究所, 教育政策部門, 文部教官研究室長 (90133610)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Research Abstract |
本年度の研究目的は学術賞を科学社会学的アプロ-チから理論的に明らかにすると共に、我が国の実態を実証的に解明することにある。この目的を達成するために,一方では学術賞の文献を収集して学術賞の構造および機能の理論的枠組みを検討した。ここではとくにマ-トン学派の文献によって学術賞が科学者共同体において果たす役割を整理した。それと同時に学術賞の構造と配分のメカニズムに言及した。これらの理論的成果によって学術賞の階層構造や配分に関するマタイ効果などが指摘された。他方では,こうした理論や分析枠組みに従って我が国や国際的な視点から実証研究を本年度はとくに推進した。 そのため本年度は,基本的には3つの実証調査を実施した。その一つは我が国の学術賞の構造に関する研究である。我が国の学術賞の基本的統計は皆無であるので,各種の科学賞事典に基づいて分析した。この分析によって718の全国レベル学術賞の歴史,名称(エポニム),構造,分野,地域などを初めて明らかにし,我が国の特色を把握した。これによって我が国の科学技術の評価構造が工学系,理学系,人文,社会科学系によって異なり,工学や技術中心の支援システムが理解された。第二レベルは学術賞のレフェリ-・システムに関する研究である。学術賞の審査委員会,レフェリ-,審査基準,褒賞形式などがある程度,明らかにされた。これらの点についてはさらにアンケ-ト調査やインタヴュ-などによって調査される必要があるだろう。第三には国際賞に関する実証研究である。『研究者・研究課題総覧』に基づいて我が国の大学教授の国際賞受賞者を分析した。これによって508名の大学教授が国際賞を過去受賞していることが理解された。彼らのキャリア,所属,学会活動を分析することによって科学者,研究者の養成の在り方や評価が理解された。
|