近代電気技術の立ち上がりと受容に関する比較社会史的研究ーSTS研究の視角よりー
Project/Area Number |
02244118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
松本 三和夫 城西大学, 経済学部, 助教授 (50157385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 傅司 南山大学, 文学部, 助教授 (70195791)
中島 秀人 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (40217724)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | STS研究 / 近代電気技術 / 比較社会史 / 科学社会学 |
Research Abstract |
初年度の今年度は、分析の視角にかかわるSTS研究の動向調査と近代電気産業史資料の収集・整理を行った。以下、その概要とこれまでに見いだした事を順に述べる。 1.STS研究の視角 ここでSTS(Science,Technology & Society)研究とは、科学、技術、社会が相互作用する際の界面構造の研究を指す。現在この研究のセンタ-オブエクサレンスである欧米の大学を中心に動向調査を行った結果、研究は大きく2つの系譜に分類可能なことが明らかとなった。 (1)科学→技術の階層モデル(技術を応用科学の産物とみる見方)からの脱却と、それに代わる科学【tautomer】技術の同格モデルを大局的に唱える系譜。 (2)特定の技術開発の場(例、企業内研究・開発組織)の参与観察をもとに、超局所的な記述を行うモノグラフの系譜。 (1)の大局的な研究と(2)の超局所的な研究をつなぐ解釈枠組みが現状ではきわめて乏しく、かつ(1)、(2)とも科学者集団および技術者集団を越える社会との関連を検出する視角が予想以上に希薄なため、本研究ではつぎの視角から標記課題にアプロ-チすることに意味が認められる。 (3)科学者集団、技術者集団とそれ以外の社会集団との関連を、大局的な一般モデルと局所的な記述をつなぐ「中範囲の理論」から解明する。 2.近代電気産業史資料の収集・整理 つぎの2つの成果があった。 (1)電気試験所(現電子技術総合研究所)の戦前、戦後にまたがる1次史料(密田史料)を発見し、日誌、実験ノ-トを中心に整理を行った。 (2)日本の電気産業史の記述を与える基礎資料(個人史、社史、業界史、制度史など)を収集した。なお、業界史には、日本のメ-カ-と海外メ-カ-の資本提携関係を含む。 3.展望 目下、MSDOS上で動くデ-タベ-スの構築を進めており、次年度はそれをもとに1、2の知見を統合する本格的な分析を目指したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)