Project/Area Number |
02244203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
飯田 隆 千葉大学, 文学部, 助教授 (10117327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 俊 千葉大学, 文学部, 助教授 (50155404)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 技術移転 / 計算機技術の歴史 / OSの歴史 |
Research Abstract |
本年度は、高度先端技術の移転のケ-ススタディとして、1966年から1971年にかけて通産省の主導で行われて「超高性能電子計算機」開発プロジェクトのなかのひとつのサブ・プロジェクトを取り上げた。このサブ・プロジェクトは、「ETSS」とよばれる、時分割方式による複数端末からの計算機の効率的利用を可能にするOSの開発である。高度かつ先端的な開発の成果を産業・社会へ組み込むという意味での技術移転という観点からこのプロジェクトを評価することがわれわれの課題であった。計算機OSのような技術においては、最終利用者による利用がなければ、その開発の主目的は達成されず、また、最終利用者からのフィ-ドバックなしには、技術そのものの水準恒常が期待できない。よって、ETSSを開発したグル-プと実際にETSSを利用したグル-プとの関係がどうであったかを研究することは、技術移転の観点から言って重要である。ところが、ETSSプロジェクトに関しては、このOSの利用者がプロジェクトの終了後存在しなかったという事実が知られている。つまり、技術移転の観点からみるならば、このプロジェクトは失敗に終わったと判断せざるをえない。 われわれは、ETSS開発に関連して残されたメモ・研究会での資料(約2000点)などを収集・整理し、かつ、開発に実際に参加した人々からの聞き取り調査を行った。ETSS開発グル-プとETSS利用者グル-プとの関係という観点から重要なのは、当初ETSS利用者の集まりとして発足した「ETSS研究会」に関連する資料である。まだ資料の整理が完全に終わってないために現在の段階では確定的なことは言えないが、これらの資料からうかがえるのは、ETSS開発グル-プがETSSの実際の運用をむしろ「重荷」と感じていたこと、また、ETSSの利用者もETSS上でのソフトウェア開発に積極的に取り組む姿勢に欠けていたことである。
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