発展途上国における技術移転問題へのソフト系科学技術による経営工学的接近
Project/Area Number |
02244208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木嶋 恭一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10134826)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ソフト系科学技術 / 技術移転 / システム / 悪構造問題 / 効率 |
Research Abstract |
重点領域研究「発展途上国における技術移転問題へのソフト系科学技術による経営工学的接近」の初年度の研究として、(1)ソフトシステムズアプロ-チの概念についてこれらを整理し位置づける枠組みを検討した。(2)技術移転問題の特質を抽出した。(3)以上を基づき技術移転問題を取り扱うにもっとも適した方法論を見いだした。 技術移転の問題は、表面的には発展途上国側の経済成長を先進国側の持つ技術で支援しようとするものであるが、そこにはいろいろな利害が錯綜しており、典型的な利害対立とその調整の問題と言うことができる。本研究は、ソフトシステムズアプロ-チの方法論によって、従来にはなかった総合的・全体的立場からアプロ-チしようとした。その中でも特にソフトシステム方法論は、悪構造の問題に対処する方法論であり、数学的にモデル化できるように混沌の複雑性を削減しようとするよりも、人々の心の中に存在するその複雑性に対する様々な認知を用いてそれを調べようとする。現実に対する様々な複数の見方・見解が許容され、それらの持つ意味についての検討がなされる。価値の側面は、理論上、方法論のプロセスから排除されるというよりもむしろ、そのプロセスに含まれる。そこでの直接の目的は、取るべき行為についてある調和を産み出すことである。この調和は、意思決定や実施に当たって利害関係のあるすべての人々を巻き込んだ討論の中から生みだされる。 技術移転の概念は多様であるが、技術的側面を中心に考えれば(1)その技術がある程度複雑であること、(2)技術の提供者と引き受け者がいること、(3)移転を効果的に行うメカニズムが仮定されること、の3点は、共通に指摘される技術移転の構成要素である。技術移転がうまくゆくためには、単に技術を取り入れるだけでは不十分で、それを吸収・消化し、活用しさらには必要な変形・修正を行うことが必要である。実際、多くの技術移転の定義においては、さらに技術が伝搬・普及する過程をも含めている。その際には、当然、技術を吸収しこれを効果的に適応してゆく能力が仮定されている。技術移転のメカニズムの効率は(1)技術導入企業と技術提供企業間のコミニュケ-ションの容易性、(2)移転チャンネルの多様性と効率、(3)採用過程の迅速さ、(4)技術移転資源供給能力の成長に依存する、ことか解明された。以上の考察により、ソフトシステム方法論が技術移転問題を取り扱う最も適切な方法論であるという結論をえた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)