Project/Area Number |
02244213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大野 勝久 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50026118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 智徳 放送大学, 教授 (30024178)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 美的社会 / 高位工場計画 / 富士山 / 自然景観 / 負効果 / 大気排出物 / 拡散 |
Research Abstract |
1.本研究から得た提言 戦後わが国は、経済成長で豊かさを実現した反面、いくつかの誤謬を冒してきた。その一つに、無差別工業開発と社会景観破壊の問題が挙げられよう。熊谷は、この問題の象徴が、富士山南面の製紙工業開発による景観破壊に凝集すると考え、その歴史的誤謬を正す問題と取り組んできた。世界的に秀麗な円錐成層火山、富士山の眺望を年間5,000億円の製紙生産と引き換えに、一瞬の内に破壊してしまったのである。われわれはこの国民資産的景観地域を、日本の高位文明社会構築へのシンボルとして、修景事業に取り組むべきであると主張する。日本がこの問題を成し遂げたならば、日本と日本人が高位文明を志向する国として世界から尊敬されることになろう。 2.工場の大気排出物拡散の数理解析 富士山南面地域は、大気排出物のSO_2、NO_2等は基準以下であるが、SPM、光化学オキシダントが基準を達成していない。富士山の景観視程向上の見地から重視したいのは、大気汚染防止で定められていない、排煙水蒸気の無制限排出の問題である。これがSO_2、NO_2、SPM等と作用して靄を作り、夏期を中心とする長期間、富士山を見えにくくしていると推測される。大野は、これらの調査を基に大気排出物拡散の数値シミュレ-ション解析を進め、富山士中腹に水蒸気等が集まる傾向をとらえている。 3.工場景観問題へのシステムズアプロ-チ 高橋は富士山南面の工場景観を取材し、スライド写真による観察者の景観評価を行い、次のような特性をとらえている。(1)自然の姿(2)人工物の巧みな造形(3)自然と調和した人工物と自然の組み合せの順で美観が減じ、(4)自然と不調和な人工物(5)乱雑な人工物の集合(6)人工廃棄物の放置の順で醜さが増大する。富士山南面のほとんどの工場が、不快と感じられている現在、われわれは、次年度以降、この地域の景観修復への方策を探る研究を進めたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)