| Budget Amount *help |
¥65,000,000 (Direct Cost: ¥65,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥65,000,000 (Direct Cost: ¥65,000,000)
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| Research Abstract |
(1)大型装置の開発:分子の拡散過程と溶質ー溶媒相互作用,液体構造との関係を明らかにするため,広い温度,圧力範囲での実験デ-タを系統的に集積するための「極端条件付き分子ダイナミックス解析用NMR装置を開発し,本学理学部に設置した。
(2)蛍光消光反応の初期速度定数の異常な時間依存性の解明:イオンによる蛍光消光反応の短時間領域での挙動にイオン雰囲気の緩和と拡散係数の時間(周波数)依存性が寄与していることを一般化拡散方程式と時間に依存する拡散係数を使って明らかにした。
(3)イオンの回転拡散係数の濃度依存性と無限希釈量の溶媒粘度依存性:NMR,Raman測定により,硝酸イオンの回転の相関時間の濃度依存性が一次であることを明らかにし,無限希釈量に対する溶媒(水)同位体効果が粘度比より小さい(粘度指数が1より小さい)ことを見出した。
(4)電解質の粘度のB係数に対する溶媒効果:拡散係数を支配する重要な因子の1つである,電解質の粘度について,有機溶媒の効果と水の同位体の効果を研究した。イオンの粘度のB係数がEinsteinのB係数理論のように排除体積のみによって決まっているのではなく,溶媒の誘電率に依存することを明らかにした。また,B係数に対する重水の効果を検討することによって,B係数に対する水の構造の影響を明らかにした。
(5)正則溶液のダイナミックス:代表的な正則溶液である,ベンゼンーシクロヘキサン,ベンゼンー四塩化炭素,ベンゼンートルエンのダイナミックスが正則であるか否かを重水素化ベンゼンのNMRスピンー格子緩和時間の測定によって検討し,これまでの熱力学過剰量の濃度依存性の関数形(パラボラ)による分類が溶液のダイナミックスの分子論的理解にも役立つことを明らかにした。
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