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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
1.ミセル保護金属クラスタ- ドデシル硫酸ナトリウム,ポリエチレングリコ-ルモノラウレ-ト,ドデシルトリエチルアンモニウムクロリドなどのミセル水溶液にヘキサクロロ白金(IV)酸を溶解し,窒素下可視光照射すると,ミセル保護白金クラスタ-分散液が生成する。同様に,ジクロロパラジウム(II)の塩酸水溶液を用いるとミセル保護パラジウムクラスタ-分散液を得る。この分散液中で不飽和脂肪酸を水素化すると,末端不飽和結合の方が速く水素化される。これは,金属クラスタ-がミセルの中心の疎水部に位置しているためである。 また,このミセル保護白金クラスタ-をEDTA/ルテニウム錯体/メチルビオロゲン/白金系の可視光誘起水素発生反応の触媒に用いたところ,水溶性高分子保護白金クラスタ-より高活性で,かつ,触媒活性は用いたミセルの種類に依ることが明らかとなった。これはミセル界面の電荷が,光誘起電子の電荷分離を促進しているためと考えられる。さらに,ミセルの代りにより安定なベシクルを用いると,金属クラスタ-の触媒活性は長寿命化することが明らかとなった。 2.ミセル保護二元金属クラスタ- ミセル溶液中でパラジウムイオンと白金イオンの混合溶液を還元すると,ミセル保護パラジウム/白金二元金属クラスタ-分散液を得る。このクラスタ-分散液を前述の可視光誘起水素発生反応の触媒に用いたところ,全ての合金領域で,白金単独のものより活性が低かった。しかし,空気処理後に使用すると,Pt/Pd=9/1で白金単独の約2倍の活性を示した。これは空気処理により,クラスタ-の表面に存在するパラジウム原子が活性化されたためと考えられる。さらに白金/金二元金属クラスタ-を同様に用いたところ,Pd/Auが1/1で最大活性に達した。
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