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¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
<1.>___ー分子A,Bの溶媒和状態A(Solv)m,B(Solv)n(m,n=1,2,…)について,それらが起こす化学反応の遷移状態(AB)^≠(Solv)m+nを直接的に観測するための実験装置を開発した。(1)運転エネルギ-を規定した負イオンクラスタ-(AB)^-(Solv)m+nの強いビ-ムを気相中に生成し、質量分析法で溶媒分子数を選別する。(2)これにYAGレ-ザ-の高調波を照射して光脱離を起こし、得られた光電子スペクトルに基づき(AB)^≠(Solv)m+nの振動状態を解析する。現在、クラスタ-イオン生成部と、飛行時間型質量分析器、レ-ザ-光学系等が完成しており、引続き電子エネルギ-分析器を製作中である。本装置に関連して、クラスタ-への超低速電子の付着過程のダイナミックスについて研究をした[J.Phys.Chem.<94>___ー,8250(1990);J.Chem.Phys.<94>___ー,243(1991)]。<2.>___ーペニングイオン化で放出される電子のエネルギ-分析を行うことで、分子の電子構造や分子軌道の空間分布などを研究した。とくに衝突エネルギ-Eに関する部分イオン化断面積σ(E)の変化を測定し、粒子間の相互作用ポテンシャルやイオン化確率の異方性などを検討した。例えば、N_2の場合、II終状態によりΣ終状態のE依存性が小さいことから分子軸に垂直な方向に比べて分子軸方向のポテンシャルが硬いことが明らかになった。[J.Chem.Phys.94巻、印刷中]。<3.>___ー軌道放射光を利用した真空紫外光励起により分子が負イオンと正イオンに解離する過程について研究し、(1)正の電子親和力を持つ原子を含む多原子分子がほぼ例外なくイオン対生成反応を起こすことを明らかにし、(2)負イオンの光解離効率曲線を測定した結果、これまで知られていなかった多くの中性超励起状態を検出し、さらに(3)それら超励起状態の光解離のダイナミックス(ポテンシャルエネルギ-曲面の擬似交差など)について有用な情報を得た[J.Chem.Phys.<92>___ー,6556(1990);<93>___ー,1710(1990);<93>___ー,8717;94巻、印刷中]。
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