SIMSによる鉄隕石および石鉄隕石中の各種元素の同位体変動の研究
Project/Area Number |
02246209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
西村 宏 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (30029722)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 鉄隕石 / ニッケル同位体比 / 同位体変動 |
Research Abstract |
鉄隕石は,隕石母天体の核として極めてゆっくりとした冷却過程を経て形成されたものと考えられている。この冷却過程のはじめには,鉄隕石はすべてテ-ナイト結晶であり,ある温度になると,カマサイトの結晶核が生じ,その後カマサイトが成長を続け,いわゆるウィドマンシュテッテン構造と呼ばれる,鉄隕石特有の鉄・ニッケル単結晶が入り組んだ構造を呈するようになる。鉄隕石の冷却速度は,ウィドマンシュテッテン構造のテ-ナイト中のニッケルの元素分布がM型をしていることからWoodらにより,1〜数10℃/10^6年と推定されている。本研究では,このようにゆっくりした鉄隕石の冷却期間中に,テ-ナイト中のニッケル元素の拡散によりその同位体の分別が生じるかどうかについて理論的に検討するため,計算機シミュレ-ションを試みた。即ち,テ-ナイトがカマサイトの結晶成長にともない圧縮される際のニッケル同位体の挙動を計算機シミュレ-ションにより追跡した。計算では,フィックの第2法則を差分化して数値的に解くこととし,パ-ソナルコンピュ-タを用いた計算が可能なように,単純化したFORTRANプログラムを作成した。同位体効果をm^<ー1/2>に比例した形で拡散係数に導入することで考慮した。計算は代表的なCoarse OctahedriteであるOdessaを例にとって行った。Odessa隕石では,平均ニッケル含有量7.5at%,カマサイトの幅800μmの報告があるので,これを初期条件とした。試行錯誤的な計算の結果,5℃/10^6年の冷却速度が得られた。また,テ-ナイト中のニッケル拡散にともない,テ-ナイト相の周辺部に比べて中心部に約4〓だけ軽い同位体が濃集されているという結果が得られた。今後は,SIMSを用いて,実際の鉄隕石で同位体比変動が見られるかどうかを検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
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