遷移金属ジシラメタラサイクル錯体を鍵中間体とする新規高活性ヒドロシリル化
Project/Area Number |
02247210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 健児 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (60023149)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ヒドロシリル化 / ロジウム錯体触媒 / wilkinson錯体 / ロジウム(V)ヒドリド / 不斉ヒドロシリル化 |
Research Abstract |
有機モノヒドロシラン官能基2個を炭素数2〜3個隔てて配置した二官能性ビス・ヒドロシラン類が,ロジウム(±)錯体触媒存在下に著しく高いヒドロシリ化活性を示し,選択的に一方のSiーH結合のみがヒドロシリル化されることを明らかにした。その加速効果は典型的なトリアルキルモノヒドロシランであるEtMe^2SiHの60〜160倍にも及ぶことを競争反応をアセトンを基質にして行った相対反応速度比から決定した。このような加速効果は反応溶媒の影響を大きく受け,ベンゼン,トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒中で特異的に観測され,クロロホルム中ではビス・ヒドロシランの加速効果は全く見られなかった。 このα,ωービス・ヒドロシランの特異的な加速効果の反応機構を明らかにする目的で,ビス・ヒドロシランと典型的なRh(I)錯体の量論反応をNMRスペクトルにより追跡した。その結果,電水素化トルエン中における反応では,反応初期にSiーH結合のRh(I)種に対する酸化的付加がおこり対応するシリル・ヒドリド・ロジウム(III)中間体を生成するがこれはヒドロシリル化活性は低かった。ロジウム(III)中間体は重クロロホルム中でも生成し,ビス・ヒドロシランが加速効果を示さない事実と一致する。しかし、重トルエン中室温でさらに反応を行ったところ,3個のヒドリド配位子と2個の互にシス配置をもつ第3級ホスフィンを配位したロジウム(V)ジシラメタラサイクル・トリヒドリドが第2のSiーH結合のRh(III)中心に対する酸化的付加の結果生成し,この種が著しく高いヒドロシリル化活性を示すことを明らかにした。すなわちビス・ヒドロシランの高活性は,そのRh(I)触媒への二重酸化付加により生じるRh(V)ポリヒドリドにもとづくと結論した。 さらにジヒドロシランを遷元剤とする新規不斉ヒドロシリル化をロジウム触媒存在下に達成した。
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Report
(1 results)
Research Products
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