イオウ、窒素元素の求核および親電子活性化に及ぼす遷移元素の触媒的役割の解明
Project/Area Number |
02247217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田丸 良直 長崎大学, 工学部, 教授 (80026319)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | (dba)_3Pd_2・C_6H_6錯体 / αービニルスルトン / 4ーメチレンーオキザゾリジンー2ーオン / Ag(I)触媒 / Cu(I)触媒 |
Research Abstract |
遷移金属の触媒作用は炭素一炭素,炭素一酸素結合の生成や切断において重要である。しかし酸素以外のヘテロ原子,例えば炭素一窒素や炭素ーイオウ結合の生成や切断に関する遷移金属の触媒としての役割の重要性は余り認識されていない。本研究では,この点に着目し,遷移金属を触媒とするイオウや窒素原子と炭素との結合生成反応を検討し、興味ある2つの反応を開発した。 1.パラジウムを触媒として用いる亜硫酸アリルアルキルのアリルスルホン酸アルキルへの転位反応。この転位反応は形式的にはアリル基が酸素からイオウ原子上へと転移する反応で,理論的には熱的に許容である。しかし高温(200〜260℃)でも反応は全く進行しなかった。これに対し,0価パラジウムとして極めて特殊な錯体(dba)_3Pd_2・C_6H_6(dba=ジベンジリデンアセトン)を触媒として,亜リン酸トリエチルを助触媒として用いると室温〜60℃の穏和な条件で転位することを見出した。アリル部位を有する環式亜硫酸についても同様に反応は進行しαービニルスルトンを高収率で与えた。この生成物はαーメチレンスルトンへと異性化し,電子的,構造的にもαーメチレンーγーブチロラクトンと類似しており,生理活性に興味のある化合物を与える。 2.Nー置換カルバミン酸プロパルギルの銅(I),銀(I)触媒による環化反応。標記化合物は遷移金属を触媒をして用いると容易に環化反応を起こし4ーメチレンーオキサゾリジンー2ーオンを高収率で与える。この環化反応は窒素上の置換基に依り反応性が大きく異なる。トシル基の場合は銅1価が,アシル基の場合は銀1価が触媒として最良であった。アルキル基の場合, ^tBuOKが触媒作用を示した。生成物はアリルアルコ-ル,エナミン骨格を有し,合成中間体としての有用性を検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)