自己言及性からみたシステムの自律性及び自己組織化に関する数理的研究
Project/Area Number |
02248101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
長島 知正 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (00002288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郡司 幸夫 神戸大学, 理学部, 助手 (40192570)
今野 紀雄 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (80205575)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | システムの自律性 / 自己言及性 / Brown代数 / 境界の自己決定性 |
Research Abstract |
自律分散システムの理論的体系化をすすめる上で,何らかの形でシステムの“自己組織化"能力が必要と考えられている。そのため,自律分散システムの原理を構築するには,自己組織化現象と呼ばれている内容の統一的理解は欠かせない重要課題となる。本研究では,近年提出されている観点とは異なる観点にたち,システムが自己組織化することは,自らが自らの手で自らを作る現象と考え,そこで働く基本的論理を抽出し、又それを表現する数理モデルの構築へ向けた研究を行った。 先ず、自分が自分を作るという現象にとって最も本質的な論理は、自己言及的構造にあることを指摘し,その数理表現としてSpencerーBrownによるBrown代数とその一般化による定式化が部分的にではあるが,有効に用いられ得ることを示した。 次に,自己組織系の例として生物を考えたとき,システムの時間発展を観察できるが,それはシステム外部から境界条件を与えてシステムをコントロ-ルできるものとは異なり,生物システムの自己組織化の本質はシステム自らによって自らの境界条件を自己決定している点にあることを指摘した。 このような自己決定的な境界条件をもつシステムの時間発展は自己言及的であることを示し,又それを表現する数理モデルが実際に構成できることを示した。 自己言及性の立場からシステムの自律性と自己組織性の本質を解明していくためには、より具体的なモデル作りが必要と考えられ,それは今後の課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)